高専生のAI×ものづくり力で社会を変える!DCON2025、過去最多応募で86作品が次のステージへ
全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(DCON)2025年大会が、過去最高の盛り上がりを見せている。42の高専から94チーム、110作品という記録的なエントリー数を集め、その中から40高専、79チーム、86作品が一次審査を通過した。
今回のDCONで特筆すべきは、応募作品の質と多様性だ。地域産業の振興や農業のデジタル化、海難事故の防止、認知症ケア、言語障害者支援など、身近な社会課題に対するAIソリューションが数多く提案された。これらの作品は、高専生たちが持つ高度な技術力と、社会問題に対する鋭い洞察力を反映している。
さらに、今年の応募作品数が前年比1.5倍に増加したことも注目に値する。7つの高専が初めてエントリーを果たし、複数の高専による連合チームの参加もあった。これは、DCONの取り組みが全国の高専に広く浸透し、学校の枠を超えた協力関係が生まれつつあることを示している。
今後のスケジュールは以下の通りだ。
- 一次審査通過チームは、2025年1月14日までに約2ヶ月間でプロトタイプを制作し、説明資料とデモ動画を提出。
- 二次審査は2025年2月に予定されており、ここで本選進出10チームが決定。
- 最終審査会は2025年5月9日・10日に渋谷ヒカリエホールで開催。技術審査とプレゼンテーション審査が行われ、ベンチャーキャピタリストによる企業評価額で最優秀賞が決定。
DCONは単なるコンテストではない。高専生たちが実社会の課題に取り組み、ビジネスとしての実現可能性を追求する貴重な機会となっている。上場企業経営者をメンターに迎え、実践的なビジネスプラン作成を学べることも、このコンテストの大きな特徴だ。
また、DCONには多くの企業がスポンサーとして参加している。これは、高専生の潜在能力に対する産業界の期待の表れであり、産学連携の新たな形として注目される。
DCONは、未来のものづくりリーダーを発掘し、技術を活用した事業創出を促進する場として、今後も全国の高専生が持つポテンシャルを支援していく。この取り組みが、日本のイノベーション創出にどのような影響を与えるか、今後の展開が楽しみだ。