「公務員×地霊」が織りなす新感覚ファンタジー!恩田陸らが絶賛した新人作家の衝撃デビュー作『宝蔵山誌』が日本ファンタジーノベル大賞を受賞
日本の伝統と現代が交差する新たなファンタジー小説が誕生した。2025年度の日本ファンタジーノベル大賞に輝いたのは、明里桜良氏による『宝蔵山誌』である。本作は354篇の応募作品の中から、日本文学界を代表する作家たち―恩田陸氏、森見登美彦氏、ヤマザキマリ氏による厳正な審査を経て選ばれた渾身の一作となっている。
特筆すべきは、本作が明里氏にとって処女作であることだ。1985年生まれの明里氏は、誰にも見せることなく密かに執筆し、本賞への応募を決意。日本の民俗芸能や伝統文化への深い造詣を持つ著者は、その知見を存分に活かしながら、現代の公務員を主人公に据えた斬新な物語を紡ぎ出した。
選考委員からの評価も極めて高い。恩田陸氏は「公務員と地霊という組み合わせが面白い」と作品の独創性を評価。さらに「ヒロインの今ふうの、淡々とした気負わないところがいい」と現代性も指摘している。森見登美彦氏は作品に込められたファンタジーの本質を見出し、ヤマザキマリ氏は「現実の中に潜んでいる幻想性の豊かさを的確に感じた作品」と絶賛している。
明里氏は執筆過程について、「見えない力に書かされているような、目の前にある世界を書き写しているような不思議な感覚」があったと語る。日本の田舎の日常と非日常を描きながら、移ろいゆく伝統の姿を留めようとした試みは、まさに現代のファンタジー文学の新境地を切り開くものとなった。
本作の詳細は「小説新潮」2024年12月号(11月22日発売、定価1000円)に掲載されており、単行本は2025年初夏の刊行が予定されている。伝統と現代が交錯する新しいファンタジーの誕生に、文学界からの期待が高まっている。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001761.000047877.html