京都で注目の若手アーティスト!塔尾栞莉の個展「ここから見ると」が開催、記憶の儚さを独自の技法で表現
京都 蔦屋書店で、注目の若手アーティスト塔尾栞莉の個展「ここから見ると」が2025年2月22日から3月11日まで開催される。本展では、塔尾の独自の技法によって制作された新作《Time Travel》を含む全16点が展示される。
大分を拠点に活動する塔尾栞莉は、幼少期のアルバムや日常の風景写真をモチーフに、記憶の大切さと儚さを表現するアーティストだ。彼女の作品制作過程は非常にユニークで、キャンバス上にマスキングテープでグリッドを作成し、1マスずつ絵具を乗せていく。この手法により、隣接するマスでも微妙に色合いが異なり、予期せぬ絵具の欠けが生じる。これらの効果は、鮮明な部分と曖昧になっていく部分が混在する人間の記憶の性質を見事に反映している。
新作《Time Travel》は、60年近く営業している大阪の喫茶店の風景を描いたものだ。塔尾は、この作品を通じて、自身の知らない「当時」を垣間見たような感覚を表現している。日常の何気ない瞬間が、時を超えて観る者の心に響く作品となっている。
塔尾は自身の制作について、「記憶が劣化するということと、圧縮と修正を繰り返されたことで劣化してしまった画像をデバイスの画面で見た時に現れるブロック状のノイズとを重ね合わせて行います」と語っている。この独特な視点と技法が、彼女の作品に深い奥行きと独自性を与えている。
本展は、現代アートに興味がある方はもちろん、日常の中に潜む美しさや記憶の不思議さに関心がある方にもおすすめだ。会場では作品の販売も行われ、アートのECプラットフォーム「OIL by 美術手帖」でもオンライン販売が予定されている。
京都 蔦屋書店で開催される塔尾栞莉の個展「ここから見ると」は、現代アートの新たな才能との出会いの場となるだろう。記憶と時間の不思議な関係性を独自の視点で表現した作品群は、観る者の心に深く刻まれることだろう。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001036.000058854.html