京都発の若手アーティストが描く「ホットブルーバカンス」 - マイナス感情をユーモアに変換する赤羽由衣の新作展


京都を拠点に活動する若手アーティスト・赤羽由衣の新作展「ホットブルーバカンス#44」が、2025年2月21日から3月17日まで京都岡崎 蔦屋書店 GALLERY ENで開催される。本展では、赤羽が初めての海外滞在で経験したカルチャーショックや複雑な感情を、独特のユーモアと色彩で表現した作品が展示される。
赤羽は、自身の日常生活から生まれるマイナスの感情を、全く無関係なものと融合させてキャンバスに描く。アクリルガッシュや油絵具を重ねていく手法は、過去の記憶を「改ざん」するプロセスそのものだという。「絵画を通して、マイナス感情の記憶を改ざんする」というテーマのもと、赤羽は観る者の心を豊かにする新しい解釈を生み出そうとしている。
展示のタイトルにある「#44」は、赤羽が特に印象に残ったイギリスの国番号を表している。2024年の夏、京都市立芸術大学大学院修了後にヨーロッパを一人旅した経験が、今回の作品群に大きな影響を与えているようだ。ホストファミリーとの出会いや、異文化との接触から生まれた複雑な感情を「ホットブルー」と表現し、カラフルな色彩の中に悲しみや理不尽さ、そしてユーモアを同居させている。
会場では、新作に加えてこれまでの制作の転機となった作品も展示される。赤羽の作品世界は、SNS全盛の現代社会における感情表現の難しさや、言葉では伝えきれない微妙なニュアンスを、絵画という媒体を通じて探求している。
展覧会の作品は2月21日から販売が開始され、一部作品はアートのECプラットフォーム「OIL by 美術手帖」でも購入可能だ。若手アーティストの新鮮な視点と、マイナス感情を昇華させる独特の表現方法に触れられる貴重な機会となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001035.000058854.html