詩の世界に大きな足跡を残した谷川俊太郎。その生涯と作品を振り返る特別企画が、「芸術新潮」2025年3月号で実現する。「さよならは仮のことば　追悼 谷川俊太郎」と題された82ページにわたる大特集は、2025年2月25日に発売予定だ。

谷川俊太郎といえば、「ネロ」「朝のリレー」「生きる」など、多くの人々に親しまれる作品で知られる。しかし、その創作活動は詩の枠を超え、200冊以上の絵本制作や1964年東京オリンピックの記録映画脚本執筆など、多岐にわたる。本特集では、そんな多彩な谷川の軌跡を、貴重な写真資料とともに辿る。

特集の見どころは、谷川家のアルバムから選りすぐられた写真や、新潮社の刊行物に登場した際のスナップショットだ。これらの写真を通じて、少年時代から晩年に至るまでの谷川の姿が生き生きと蘇る。また、文芸評論家の尾崎真理子氏による詳細な伝記や、詩人の四元康祐氏による谷川の詩の世界への案内など、多角的な視点から谷川俊太郎という稀有な存在に迫る。

さらに、美術家の岡﨑乾二郎氏や森岡書店の森岡督行氏、そして谷川の子どもたちによる回想も収録。これらの証言は、詩人としてだけでなく、一人の人間としての谷川の魅力を浮き彫りにする。

本特集では30篇以上の詩の引用もあり、谷川俊太郎のミニアンソロジーとしても楽しめる内容となっている。詩集『二十億光年の孤独』でデビューし、『コカコーラ・レッスン』や『定義』など現代詩の金字塔を打ち立てた谷川の言葉の世界に、改めて触れる機会となるだろう。

1500円（税込）で発売される本号は、谷川俊太郎ファンはもちろん、現代詩や日本文学に興味を持つ読者にとって、見逃せない一冊となりそうだ。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000047877.html