静寂の中に輝く宝石!松家仁之『火山のふもとで』が文庫化で大反響、3刷決定


静かな傑作として評判の松家仁之著『火山のふもとで』が、このたび文庫化され、爆発的な反響を呼んでいる。デビュー作にして読売文学賞を受賞したこの小説が、13年の時を経て文庫化され、早くも3刷が決定した。
『火山のふもとで』は、浅間山のふもとにある山荘を舞台に、若き建築家の日々を描いた長篇小説だ。国立現代図書館の設計コンペと密やかな恋の行方、そして美しい景観や食事の描写が、読者の心を掴んで離さない。
本作の魅力は、なんといってもその文章の美しさにある。野崎歓氏は「繰り返し読むに値する」と評し、川上弘美氏は「驚くほどたくさんの視点や景色が示されている」と絶賛している。まさに、入念に鉋をかけられたような清冽な文章美が、読者を魅了しているのだ。
さらに、『火山のふもとで』に続き、『沈むフランシス』『光の犬』も文庫化され、松家仁之の作品群が一気に読者の手に届くようになった。そして3月末には、『火山のふもとで』の前日譚となる最新作『天使も踏むを畏れるところ』が発売された。
この新作は、『火山のふもとで』に登場する設計事務所の「先生」こと村井俊輔の若き日々を描いた大河小説だ。敗戦後の日本社会と皇室の変遷を背景に、皇居「新宮殿」造営という大プロジェクトに挑む建築家の姿を描いている。
松家仁之の作品世界に触れる絶好の機会として、4月22日にはジュンク堂書店池袋本店で発売記念イベントが開催される。河西秀哉氏を迎えてのトークイベントでは、皇室と日本社会の変遷について深く掘り下げる予定だ。
静謐な文章の中に輝く宝石のような瞬間を描き出す松家仁之の作品群。その魅力に触れる機会が、今まさに訪れている。文学ファンはもちろん、建築や日本の近現代史に興味がある方にもおすすめの一冊だ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002062.000047877.html