宇宙猫が飯能に降臨!ヤノベケンジ×たかくらかずきが語る、境界なきアートの世界


埼玉県飯能市の「メッツァビレッジ」内にオープンした現代美術館「ハイパーミュージアム飯能」で、ゴールデンウィーク特別企画として注目を集めたアーティストトークイベントが開催された。世界的な現代美術作家ヤノベケンジと、若手アーティストたかくらかずきによる初のトークセッションは、アートファンの間で大きな話題を呼んだ。
イベントの舞台となったのは、ヤノベケンジが「世界最速の彫刻」と呼ぶ高性能電気自動車《SHIP'S CAT(Speeder)》。この斬新な作品を前に、二人のアーティストは創作の源泉や社会への眼差しについて熱く語り合った。
ヤノベケンジは、自身の代表作「トらやん」と今回の展示作品「シップス・キャット(宇宙猫)」の関連性について言及。「トラもネコ科」というユーモアを交えつつ、「それぞれは違うように見えて、地続きでつながっている」と、作品間の深い繋がりを示唆した。また、35年に及ぶキャリアを通じて、エネルギーや核問題などの社会課題を作品に反映させてきた思いも語られた。
一方、たかくらかずきは、ヤノベ作品の持つ没入感の強さに言及。「ヤノベさんの作品は、入った瞬間に物語がはじまる。現実との境界がない」と評し、作品が日常に介入してくる独特の世界観を絶賛した。さらに、ヤノベの創作姿勢にも触れ、「自らチェルノブイリや太陽の塔の内部など現地に赴いて作品づくりをしている」と、実体験に基づいた制作プロセスへの敬意を表した。
イベント後には、ファンとの交流を深めるサイン会も開催。会場は熱気に包まれ、アーティストとファンの距離が一気に縮まった瞬間となった。
「ハイパーミュージアム飯能」では、8月末まで特別企画展「宇宙猫の秘密の島」を開催中。宮沢湖に出現した巨大な浮島や、ヤノベの35年のキャリアを振り返る約80点の作品群は必見だ。また、5月10日、11日限定で公道走行可能な彫刻カー「シップス・キャット スピーダー&クルー」の展示も予定されている。
アートの境界を超え、現実と非現実が交錯する「ハイパーミュージアム飯能」。この夏、新しいアート体験を求める人々で賑わいそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000404.000020740.html