「赤と黒の漆の世界」大阪市立美術館で特別展「NEGORO 根来」開催!中世の漆工芸の粋を堪能


大阪市立美術館で2025年9月20日から11月9日まで、特別展「NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし」が開催される。本展では、中世に花開いた漆工芸の美しさを堪能できる貴重な機会となる。
「根来」とは、黒漆の上に朱漆を塗った漆器のことを指す。長年の使用により表面の朱漆が磨滅し、下の黒漆が現れることで生まれる古色が、その大きな魅力となっている。展示される作品は、根來寺が繁栄を極めた中世の漆工品を中心に、その前後の時代に制作された名品や著名人の愛蔵品など、多岐にわたる。
見どころの一つは、大阪市立美術館所蔵の「輪花盆」だ。花びらの形に象った縁を持つこの盆は、中国伝来の器物の形を写したもので、中世の日常生活でも使用されていた。長年の使用による朱漆の磨滅が、独特の味わいを醸し出している。
また、重要文化財に指定されている「太鼓樽」(堺市博物館蔵)も注目だ。文明5年(1473)の銘があり、高野山・山王院の什器として寄進されたことがわかる貴重な作品である。
現代美術家・杉本博司氏による「瑠璃の浄土」も展示される。室町時代の根来経箱と古墳時代のガラス玉を組み合わせたこの作品は、時代を超えて赤と黒の漆の新たな魅力を引き出している。
本展は、大阪・関西万博が開催される年に合わせて企画された。日本を代表する漆の美を心ゆくまで鑑賞できる貴重な機会となるだろう。
観覧料は一般1,800円(前売・団体1,600円)、高大生1,300円(前売・団体1,100円)。前売券は7月5日から9月19日まで販売される。詳細は展覧会公式サイト(https://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/negoro)で確認できる。
漆の深い魅力に触れ、日本の伝統工芸の粋を体感できる本展。美術ファンはもちろん、日本文化に興味がある方にもおすすめの展覧会となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000135074.html