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ラノベ作家と見る│2025年でWeb小説・ライトノベル界隈で話題になった4つのトピック コンテストで大量契約解除!?

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大阪万博の開催やNintendo Switch 2の発売、初の女性首相誕生など、関心を引くトピックが盛りだくさんだった2025年。Web小説・ライトノベル界隈でも2025年は激動の年で、さまざまなことが起きてはその度に大きな話題となりました。

今回はその振り返りとして、2025年で印象的だった4つのトピックをWebからの書籍化経験があるぼんちびから解説!どんなことがあったのか、今後どうなっていくのかを一緒に見ていきましょう。

トピック① 21もの受賞作品が契約解除に

一つ目のトピックは、公募『キネティックノベル大賞』の受賞作品が多数契約解除されたことについて。非常にショッキングな出来事でした……。

キネティックノベル大賞について

キネティックノベル大賞は、ゲームブランドの『Key』で有名なビジュアルアーツ社が主催するコンテストです。
小説部門・イラスト部門・音楽部門の3部門で募集しており、今回問題となった小説部門は小説投稿サイト『小説家になろう』上で作品を募集する形を取っていました。同コンテストはこれまでに12回も開催されていることもあって、Webで活動する作家の中では知名度が高いコンテストでした。

受賞作品の大量契約解除

2025年10月20日、ビジュアルアーツ社はこれまでに開催されたキネティックノベル大賞の小説部門を受賞した21作品において、同年9月30日付で翻案権などに関する契約を解除していたことを発表しました。その理由として、ビジュアルアーツ社は「翻案権等に関する解約は、著者様側の事情によるものではなく、弊社における展開見込みの不十分さに起因するものです。」と説明しています。
出典:キネティックノベル大賞

これはどういうことか。簡単に言えば、それらの21作品は受賞できたにもかかわらず、書籍化してもらえないということです。

書籍化"検討"ではあるが……

ひとつ伝えておくと、このキネティックノベル大賞の受賞特典は書籍化の"検討"であり、確約ではありません。なので、書籍化されない可能性も十分にあったわけで、この結果は仕方ないと受け入れざるを得ないでしょう。

とはいえ、やはり作家としては受賞=書籍化されると思ってしまうわけで、受賞連絡をもらった時の作者の心情を思うと気の毒でなりません。

応募先は慎重に選ばなければならなくなった

この件を受けて自分が思ったのは、応募先は慎重に選ばなければならなくなったなということです。特に小説投稿サイト上で開かれるコンテストは同時応募ができるケースが多いので、少しでも可能性を高めるため、条件を満たしているコンテストのタグをすべてつけている方が多いです。実際に私もそうだったのですが、それがリスクになってしまいかねないので、「とりあえず参加しておこう」というのはやめようと思いました。

実際、この件が発表される前から、匿名掲示板やSNSなどでは受賞作品の刊行がなかなかされていないことにより、不安視されていて、「だから応募はやめておこう」という人も多く見られました。そこまで作家が警戒しなければならないのはおかしな話だと思いますが、現状では自分の身を守るために、慎重にならざるを得なくなってきているかもしれません。