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ヴェネチア・ビエンナーレに出展「GO FOR KOGEI」が現代美術を問い直す新展開催

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絵画(日本画・洋画)・美術展
報道発表
コムロタカヒロ《Dog dragon》2023年 Photo: Takashi Ito (ito-kobo inc.)(プレスリリースより)

加速社会に問いかける「工芸的感性」

認定NPO法人趣都金澤が主催する「GO FOR KOGEI」は、第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の開催にあわせ、新展『身体と物質のエスノグラフィー―加速社会における遅さと深さ』をイタリア・ヴェネチアで開催する。会期は2026年5月9日(土)から11月22日(日)まで、会場はパラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナである。

本展は、情報と消費が加速度的に拡大する現代社会において、「つくること」に内在する別の時間感覚と身体的知覚を回復する試みだ。秋元雄史キュレーターは、工芸を単なるジャンルではなく、現代美術を読み替えるための批評的レンズとして用いることを目指すと述べている。出品作家は、沖潤子、川井雄仁、桑田卓郎、コムロタカヒロ、シゲ・フジシロ、舘鼻則孝、中田真裕、三嶋りつ惠、牟田陽日、綿結の国内外で活躍する10名である。

素材を通じて時間を体験する展示構成

会場となるパラッツォ・ピザーニ・サンタ・マリーナは、水の都ヴェネチアが育んできた都市構造と建築文化を伝える歴史的な貴族邸宅だ。本展では、この建築に刻まれた時間を展示の前提条件として捉える。均質なホワイトキューブ化ではなく、建築に刻まれた歴史や素材の触覚性をそのまま引き受けることで、工芸的制作態度がもつ遅い時間が建築と共鳴する場を立ち上げている。

展示設計は、メトロポリタン美術館などを手がけた建築家クラパット・ヤントラサストが担当。彼は会場に足場という仮設的構造体を挿入し、床面に限定されない立体的な動線を生み出す。視点の連続的な移動により、固定された展示順路を解体し、空間そのものを読み替える体験へと鑑賞者を導く。

多様な素材で表現する「遅さ」と「深さ」

出品作家たちは、陶、ガラス、漆、繊維、刺繍、木彫といった多様な素材を扱いながら、それぞれ異なる時間性を作品に刻み込む。沖潤子は刺繍という反復行為によって布に生活の時間を縫い込み、川井雄仁は陶に流動性と湿度を与えて欲望の循環を可視化する。コムロタカヒロは都市文化やサブカルチャーのイメージを彫刻として立ち上げ、崇拝と消費の境界を揺さぶる。

中田真裕は数十層に及ぶ漆の塗り重ねの工程を通じて、物質の内部に沈殿した時間を浮かび上がらせ、三嶋りつ惠は光そのものを彫刻化してガラスで空間を変容させる。舘鼻則孝は江戸組紐の技法を用いたヒールレスシューズで、身体と装いの関係を問い直す。本展の見どころは、これらの作品が「すぐに理解される意味」ではなく、鑑賞者に時間をかけた関与を求める点にある。

開催概要と入場情報

会期は2026年5月9日(土)から11月22日(日)までで、火曜日は休場。時間は5月9日~9月30日が11:00-19:00、10月1日~11月22日が10:00-18:00。プレビュー会は5月6日(水)~5月8日(金)11:00-19:00で開催される。入場は無料。キュレーターは秋元雄史で、主催は認定NPO法人趣都金澤、助成はクリエイター支援基金である。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000080771.html