デパート屋上のゾウが主役!高島屋史料館の企画展で戦後日本とゾウの歴史をひも解く


屋上で暮らした象「たかちゃん」が展覧会の主人公に
高島屋史料館TOKYOが2026年3月から8月にかけて開催する企画展「やっぱりゾウが好きーデパートの屋上にゾウがいた!」は、戦後間もない1950~1954年に日本橋高島屋の屋上で暮らしていた象「たかちゃん」を起点とした展覧会である。わずか4年間の短い期間だったが、敗戦から立ち上がろうとする日本社会にとって、たかちゃんの存在は決して小さなものではなかった。賢くて優しく芸達者だったたかちゃんは、多くの子どもたちに愛されていた。
ゾウと日本社会の関わりを時代とともにたどる
本展では、たかちゃんを起点に、ゾウという動物が日本社会でいかなる意味を与えられてきたのかを探る。日本にゾウはどのように現れたのか。最初は象牙であり、やがて普賢菩薩像や涅槃図によってゾウの姿が知られるようになった。伊藤若冲や長沢芦雪が描いたゾウはめでたい吉祥図であり、河鍋暁斎は本物のゾウを見つつ楽しい戯画へと転換している。江戸時代に将軍吉宗に献上されたゾウが一大ブームを巻き起こし、山王祭に巨大なゾウのつくりものが登場した。幕末からはゾウが見世物やサーカス、動物園の人気者となるが、戦時下の「猛獣処分」により多くのゾウの命が奪われている。
戦後の「平和の使者」として迎えられたたかちゃん
だからこそ、戦後間もなく日本橋高島屋の屋上へやってきたたかちゃんは「平和の使者」として迎えられたのである。作詞家のまど・みちおさんが歌詞を書いた童謡「ぞうさん」は、当時のゾウ人気から生まれた作品であり、その時代背景を象徴している。本展では「ゾウに乗る」「ゾウを洗う」「ゾウを贈る」「ゾウを曳く」「ゾウを操る」「ゾウを食べる」「ゾウが招く」をキーワードとして展開し、ゾウと日本人の歴史をひも解く。時代とともに、ゾウに託したものが変わってきたことが見えてくるだろう。
貴重な写真や資料で昭和の思い出をよみがえらせる
デパートの屋上でたかちゃんと撮った写真を一般公募したところ、130名を超える方々から貴重な写真が寄せられた。これらの写真からは、たかちゃんが戦後復興期に平和のシンボルであったこと、人々に希望を与える存在であったことがうかがえる。たかちゃんのお骨も初の里帰りを果たし、等身大のバルーンも登場する予定である。現代版「ゾウのいるデパート」で、「平和の使者」たかちゃんに出会うことができる。
展覧会の開催概要と関連イベント
会場は高島屋史料館TOKYO 4階展示室(東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋S.C.本館)で、会期は2026年3月13日(金)~2026年8月31日(月)である。開館時間は午前10時30分~午後7時30分で、入館料は無料となっている。休館日は毎月第2火曜(祝日の場合は開館して翌日休館)および8月19日(水・全館休業)である。本展では、東京大学名誉教授の木下直之を監修として、充実したトークイベントも企画されており、渡辺裕氏や荒俣宏氏などが登壇する予定である。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001350.000069859.html