あなたとよむ短歌 テーマ詠「宇宙」佳作・入選 結果発表


それでは、佳作5首のご紹介です!
ヘルメットいっぱいに星反射して最後の声が分からなかった
(牧角うらさん)
自転車かバイクか、つるつるのヘルメットを被って星空の下を走っていたのでしょう。ヘルメットは自分の身を守ってくれるものですが、同時に音も聞こえにくくなります。それが大切な人の声だったとしても。
全宇宙押しのけて泣く我が子あり球根ほどの心臓が打つ
(白鳥さん)
「球根ほどの心臓」というのが、体積、形、重みなどをありありと想像させてすばらしいですね。「全宇宙を押しのけて」というのも、幼い子のためらいのない様子、生命力を感じます。
もしぼくが火星人なら君と猫それからハムを持って帰るね
(さとうきいろさん)
とりあえず「そんなにハムが好きなんだ……」と思いました。かなりのハム好きですね。ハム好きの人を想像させる点が面白いです。持って帰ってしまう横暴さもかわいい一首。
もしカニが宇宙人ならどうしようとんだ無礼を働いてきた
(稲野さん)
茹でたり焼いたり折ったりほぐしたり。万が一にも宇宙人だったら申し訳ないです。でもおいしいですよね、食べるのは止めないんですけれど。横に歩いてハサミを持つカニは宇宙人ぽさが強い。確かに。
スペースと君が言うから空白を見るたび思い浮かべる宇宙
(遊鳥泰隆さん)
この短歌をきっかけに調べてみたのですが、spaceの語源はラテン語の「隙間」や「距離」なんだとか。「君」が言うからこそ、そこに無限の可能性を見出してしまうのかもしれません。
つづいて、入選10首のご紹介です!
陸は鳩、海ならボトル、宇宙なら紙ひこうきでお届けします
(西宮結さん)
君は月僕の近くにいながらも光る面だけ見せてくれてる
(りきながさん)
木星を生み出すようにたこ焼きをつくる明日のことは忘れて
(よしだみやびさん)
三面鏡の右から彗星すぎていく すっぴんのまま8時になった
(唐澤うにさん)
おまえらが父を騙した悪行は宇宙にちゃんと刻まれたので
(もと小学生さん)
月だけが遅れてついてくる夜に君との距離感測りかねてる
(75さん)
われわれは宇宙人ではないですがわかりあえないときがあります
(戸倉田面木さん)
もし明日宇宙旅行に行くのならそのマフラーは私にください
(武田まゆさん)
こんなにも怒りに満ちてこの星はいつまで碧く見えるだろうか
(小仲翠太さん)
隣席でサインコサイン解くきみの右手は海王星より遠い
(あずぴよさん)