まだ見ぬ河童を探せ!「田主丸・河童の日フォトコンテスト」
福岡県久留米市にある田主丸(たぬしまる)町は、日常に河童伝説が息づく町。町内には、1000体を超える河童のオブジェが点在しています。河童ガイド会では、その河童たちを撮影したフォトコンテストを開催中です。締め切りは2023年2月15日。グランプリをはじめ優秀作品には地場産品などが贈られます。この町へ、あなたの「推し河童」を探しに行ってみませんか?
いつでも河童に出会える町
耳納連山と筑後川に囲まれた田主丸町。河童伝説が残るこの町で、河童は身近な存在として人々に語られ、愛されてきました。そのせいか、町を東西に流れる2本の川沿いや、商店街、駅舎と、町じゅう河童だらけ! 河童は町おこしのシンボルにもなっています。
そんな町が、2021年の 「河童の日 (8月8日)」 制定をきっかけに始めたフォトコンテストです。 主役はもちろん町に点在する河童たち。その数、1000とも2000ともいわれています。なんと、橋の下、欄干、マンホールまで・・その中から、どの河童を撮りましょうか。
重視されるのはストーリー性と、河童のレア度
主催者が求めるのは、作品のクオリティ、オリジナル性、ストーリー性。でも、それだけではありません。気になるのは「珍しいかっぱ、未発見のかっぱも高評価」というところ。なにしろ町には河童が多すぎて、誰も(担当者の方も!)すべての河童を把握していないとのこと。このコンテストは、親しまれている河童だけでなく、ほとんど知られていない河童を新たに探し出す試みでもあるそうです。河童探し、楽しそうですね。
ここで、昨年のグランプリを紹介しましょう。こちらは田主丸町に移住してきた家族が撮った作品です。河童がすぐ近くにいる町にやってきた喜びが物語として伝わってきますね。
あなたも、目を凝らしてみると思わぬ河童が現れるかもしれません。昨年の作品には、橋の欄干の影が河童の形になっていることもありました。思わぬところに、いたずら好きな河童は潜んでいます!なにげなく撮った写真が、長らく見つかっていなかったレア河童の姿を捉えているかもしれませんよ。
町に生き続ける河童伝説
江戸時代から、この町の河童伝承は始まりました。作家・火野葦平は田主丸町をたびたび訪れて、河童伝承についての記録を残しています。
ユニークなのは、現在でもこの伝承が人々の生活のすぐそばにあり、根付いていること。有志のグループ「九千坊本山田主丸河童族」もあって、伝説の継承や関連イベントも盛んです。ところで、誰が町内の河童たちをつくっているのでしょうか?
答えは、町民や田主丸河童族のみなさん。たとえば、原田鐡工所の原田さんは、趣味(!)として自作河童をつくりつづけていらっしゃるそう。今年できた町のお団子屋さんの前にも、原田さん作のお団子を持った河童が飾られています。若い世代にも河童の存在は浸透しています。長年、町内の小学生を対象に河童伝承を伝え残す取り組みが行われてきました。
担当者の推し河童はこれだ!
フォトコンテストの担当者である矢動丸さん・米倉さんにおふたりのイチオシの河童をお聞きしました!
『28河童』矢動丸さんのイチオシ!
昭和28年の大水害があったときに、二度と水害が起こらないようにと祈念して建てられた河童。英語だと「Praying Kappa」といって、「祈る河童」という名前がついています。この河童が水害から町を守っていることは、来てくださるみなさんにお伝えしたいなと思っています。
『屁こぎ河童』米倉さんのイチオシ!
「どんなに苦しくても屁のかっぱ!」という姿勢がなんだかかわいい。見ていると前向きになれます!
河童を見る機会はなかなかありませんが、田主丸町に行けばたくさんの河童たちに会うことができます。旅行もしやすくなってきた昨今。この冬、河童探しの旅に出てみませんか?
※この記事はインターンプログラムの一環として学生が制作したものです。
さめじま
短歌の公募に気ままに出しています。主催者側も思いっきり楽しんでいるコンテストが好きです。
出典:https://www.tanushimaru.net/
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