子どもならではの目線で、自然を描いて。「第47回『みどりの絵コンクール』」
三菱UFJ環境財団が主催する「第47回『みどりの絵コンクール』」では、4歳から小学6年生までを対象とした「みどりの絵」部門、小学生を対象とした「わたしが守りたい身近な自然」部門で絵画を募集しています。締切は9月13日。最優秀賞には、賞状と作品パネル、副賞としてデジタルカメラ・双眼鏡・実態顕微鏡のうち1点が贈られます。
飴が降っててもOK!
「みどりの絵」部門では、自然を描いた絵画を募集しています。
保護者のみなさまは自然というと、どのような景色を思い浮かべますか? 恐らく、多くの人が生い茂る木々や花、川や海などを想像すると思います。ですが、本コンクールで募集している「自然」はそれだけにとどまりません。自分の中に広がるイメージとしての自然や空想した自然など、自然に関することなら何でも自由に描いてOK。
過去には、動物や昆虫がメインの絵以外に、建物が立ち並んでいるまちを描いた作品や、飴が降っている様子、建物が上下逆に建つの街など、非現実的な世界を描いた作品の応募があったそうです。
子どもの想像力は無限大です。大人の固定観念で考えず、子どもの中の「自然」を自由に表現させることが大切なのかもしれませんね。
子どもらしく、のびのびと
審査の過程で、最も重要視していることが「子どもらしさ」だそうです。では、自然を描く上で、子どもらしい表現というのはどのようなものなのでしょうか。前回の最優秀賞作品を見てみましょう。
みどりの絵部門 三菱UFJ環境財団理事長賞
「しずかな川とホタル」
夜、川にホタルを見に行った時の様子を描いたこちらの作品。普段は出かけない時間、まばゆく光るホタルの幻想的な光景。子どもの目線で見た空の高さ、川面に映る雲や黄色の光がそのまま描かれています。ドキドキしている気持ちも、伝わってくるようですね。
みどりの絵部門 毎日新聞社賞
「思い出の銀杏の木」
大きな木の周りで、ランドセルを背負った子どもたちが話したり、遊んでいたりしています。夕暮れのような色合いから、下校時間なのでしょうか。
着目したいのは、非現実的な大きさの木です。子どもの記憶のなかでは、とにかくどっしりとしていて、どこまでも伸びているような印象が強かったのかもしれませんね。
「わたしが守りたい身近な自然部門」では、自分が暮らす地域の大切に守り、残したい自然を描いた作品を募集しています。審査では、どうしてこの風景を選んだのかという思いを大切にしているそうです。
わたしが守りたい身近な自然部門 三菱UFJ銀行賞
「しらさぎ」
まちのなかに田んぼがあって、そこにしらさぎがいる。そんな当たり前の風景を大切にしたいという観点から描かれたこの作品。カラフルな屋根に稲の緑、そして白が映えるしらさぎ。見たものをそのまま描いている素直さから、守りたいという意識が強く感じられます。
大人になると、見えづらくなってしまうような景色が描かれていますね。そんな新鮮な絵をたくさん見てきた担当の方に、どのような作品を期待するかコメントをいただきました。
「自然といえば、森や昆虫という固定観念に縛られないでほしい。『みどり』にこだわらず好きなものを好きな表現で描いてください。『自然』は思っているより広義です。自分の中にある大好きな自然を、そのまま表現した作品をお待ちしております」
主催者のHPでは、前回の入賞作品はもちろん、過去5回分の最優秀賞、優秀賞作品を見ることができます。「こんな形の自然もあるんだ」という発見につながるかもしれませんね。
幼児、小学生のお子さまを持つ保護者のみなさま。子どもの今しか見えない、描けない「みどり」はどんな絵か、ぜひお子さまと一緒に考えてみてくださいね。
武井麻美
お酒を飲みながら映画や本をのんびり楽しむのが至福のひと時。
美術館に行くとついついポストカードを買ってしまいます。
出典:https://www.muef.or.jp/muef/kankyo-kyoiku-jigyo/midoriinoe-contest/kiji-midori-annnai
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