「140字小噺ツイッター募集」結果発表!
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公募ガイド6月号の特集「笑いを知れば、
このたび、入選作品10点が決まりましたので、
公募ガイド編集部
入賞作品
友人が女の子にフラれた。彼はやるせない気持ちを投げ捨てるように、目の前の川に小石を投げ込んでいる。辛いのだろう。悲しいのだろう。気持ちは分かる。ただ、友人が5投目に投げたそれは、小石ではなく乾いた犬のうんこだ。
(あおいろ)
ラブレターが届いた。彼女は、いつも切手を舌で舐める。その切手に、口づけをした。間接キッスのつもりだ。ふと彼女の唾液の香がした。まだ手もにぎっていない。学校で再会した。
「ねえねえ、切手、きちんとついていた。この前は、お父さんが舐めたから、心配で」ペロリ。舌を出した。
(笛地静恵)
私はツイノベ探偵、どんな事件も140字で解決する。今日の依頼人はとても風変わりな人物だった。アイドルのコスプレのような格好をしているが、顔はおじさんで、太っていた。その男は甲高い声で喋った。「君が探偵か? 頼む。助けてくれ」「断る」「なぜ!?」「もう字数がない」
(卯月幾哉)
私は誰? 私は誰? と呟く女性詩人に今、急激に保水効果満点のローションやクリームが売れているらしい。識者によると女性詩人たちの深層心理を利用した化粧品メーカーの戦術が功を奏したとのこと。私は誰? 私はだあれ? 私、はだあれ? 私、肌あれ?お次がよろしいようでw
(白島真)
野球部の男子との会話。
「それでさー山田臭がキツくてさ……」 「は? お前のとこの部員に山田なんていた?」 「は?」
お互いに、何言ってんだお前っていう顔をしてただろう。よくよく聞くと「山田臭」ではなく「山ダッシュ」と言っていた。聞き間違いなのか、滑舌が悪いのか。
(笹倉真砂)
日中の畑仕事に疲れ、半袖Tシャツに短パン姿で眠る父。 朝晩の寒暖差が激しい今日この頃。 「風邪ひくかもしれないわ。何かかけてあげなさい」と母。 「毛布じゃ熱いだろうし、何かけたらいいかな?」と私。おもむろに、父は小声でこう答えた。「ソース……」
(戻@高井 空)
珍しく妹が夕飯の準備を手伝ってくれると言うので、 「じゃあ生姜焼きの生姜を擦ってもらおうかな」 ゴリゴリゴリゴリ…… (そうそうその調子) ギュー、ジャー…… っておい! 絞り汁を捨てるなよ!! そこが大事なんだよ! その日の生姜焼きは絞りカスで作ることになった。
(急須の伴治)
義経と弁慶が話している。
「弁慶、お前は子を持たぬのか」
「はぁ、まだ」
「なぜ子を持たぬか、理由を当ててやろう」
「はい」
「子供らに脛をかじられるのが恐ろしいのであろう」
「はは、それはいささか、発想がとび過ぎかと」
「俺より上手いことを言ってどうする」
(むねすけ)
「ぼくは、さとうはるとです」
「ぼくは、さとうはるとです」
「あ、同じ名前」
「ややこしいね」
「大きいからから、でかはるとだね」 「小さいから、チビはるとだね」
――数年後――
「チビはると、お前、いつの間に俺の背を抜いたのだ?」
(大西洋子)
ある寒い冬の日、一人のミステリー作家が別荘へ行ったきり連絡が途絶えてしまった。締め切りを間近に控えた雑誌の担当者から捜索願いが出されたが、道が雪で閉ざされ別荘までたどり着くことができずに、その日の捜索は打ち切られた。――次の日も作家の創作活動は続けられた。
(楠樹暖)