『こわいこわい百物語』出版。掲載する短編を募集中
日本児童文学者協会が、教育関連の出版を手がける文溪堂との共同企画で『こわいこわい百物語』(仮題)を刊行することが発表されました。小学生中・高学年を読者ターゲットにした、怖いけど読みたくなる5つのテーマでそれぞれ20作品を掲載する予定。短編・ショートショート怪談話を募集しています。
「募集テーマ」
- 恐怖の巻(絶叫するような怖さ)
- ぶきみ・不安の巻
- 強欲の巻
- 情(恨み・怒り・悲しみ)の巻
- ふしぎ・おどろきの巻
『百物語』は100本のろうそくを用意した部屋に集まって 1人ずつ怖い話をしていく、古くから伝わる日本の怪談会です。1話ごとに火を吹き消し、すべてのろうそくが消えたところで何かが起こる…と言われています。
ブームになったのは室町から江戸にかけての頃。怪談本の先駆けとなった『諸国百物語』では3~4人の若侍が「百物語怪談会」をするところが描かれています。その中で語られた怪談の内容は、1663年に刊行され秀吉に語ったといわれる『曾呂利物語(そろりものがたり)』など、江戸前期に書かれた仮名草子から引用したものが多くあったそうです。また怪談と言えば『四谷怪談』『皿屋敷』『牡丹燈篭』は日本三大怪談とも言われ、百物語でも語られています。
怪談話といえば生き物がたびたび登場します。猫は足音を立てずに歩く姿や、高いところから飛び降ることができる身体能力、見た目の妖艶・怪しさから化け猫や妖怪として表現されます。狐や蛇は神社などで神様と崇められ神聖な存在で語られることもありますが、祟りや変幻など怪奇現象が起きそうな生き物の代表格とも言えます。
- 猫:化け猫、妖怪、猫又、招き猫
- 狸:化け狸、狸憑き、狸神、縁起物
- 狐:狐憑き、変幻、祟り、白い狐はお稲荷様の神使
- 蛇:執念、蛇女、ヤマタノオロチ、白い蛇は神様の使い
- 蜘蛛:蜘蛛女 (絡新婦)、蜘蛛火(怪火)
百物語の面白さは、奇妙だけれど心温まる話や不思議な現象など怖いだけではないところです。現代の百物語と言われている『新耳袋』(木原 浩勝・中山 市朗著作)は、オカルト研究家でもある著者が取材を重ねて集めた実話集です。1話あたりが2~3ページと読みやすく、説明のつかない怪奇現象を起こったままに淡々と記されているところが逆にゾッとしてしまう1冊です。
あなたも学校の怪談や七不思議、伝説や怪奇現象が好きな小学生が、「怖いけど読みたい!」と悲鳴をあげるような物語を作ってみませんか?
公募情報の詳細はこちら:https://www.koubo.co.jp/contest/literature/juvenile_literature/025551.html
日本児童文学者協会「こわいこわい百物語」(仮題)シリーズ原稿募集(2017年3月31日〆切)