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ハンコは歴史を刻む 「歳の印」原画募集2023

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全国印章業経営者協会(JS会)は、1年の世相をハンコにした「歳の印」の原画を募集中。最優秀賞には賞金10万円が贈呈されます。さらに、参加者全員に応募作のゴム印をプレゼント。締切は11月10日(金)です。

「歳の印」とは?

2017年、印章業に携わる企業を中心としたJS会は、その年の世相をハンコで表現する「歳の印」プロジェクトを始めました。「今年の漢字」ならぬ、「今年のハンコ」というわけです。

百聞は一見に如かず、2022年までを振り返ってみましょう。

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2019年は新元号の令和を記念し、なんと日本の元号全部彫り!

 

35mm画の印影から、その年の出来事がパッと思い出されます。「歳の印」はまさに1年のシンボルマーク。ハンコ=名字、事務手続き、という価値観を刷新するべく始まったこの企画には、「日本の文化であるハンコをもっと楽しく」という思いが込められているのです。

 

知って楽しいハンコの世界

「脱ハンコ」。2、3年前に話題になりましたよね。デジタル化の一環として、行政手続きの9割以上で押印不要もしくは廃止の方向が決まりました。

負の側面が取り上げられがちな昨今、ハンコのことをどれだけ知っていますか? 人の暮らしに長ーく影響を与えてきたからには、それだけの奥深さがあるのです。

押すなよ、押すなよ!

ハンコの起源は今から5千年ほど前のメソポタミア文明だと言われています。筒型の石材の側面に、幾何学模様やくさび形文字を彫ったもの。まだ紙もない時代なので、押すのではなく柔らかい粘土板に転がして使っていました。「押印」という言葉が根付いた今では、転がすハンコは斬新にさえ感じます。

 

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ルーブル美術館所蔵 © 2014 Musée du Louvre / Harry Bréjat

 

戦国時代はMyハンコブーム

日本にハンコが伝わったのは、中国が後漢の頃。教科書でお馴染み、「漢委奴国王」の金印は、現存する日本最古の印章です。

奈良時代になると私印、すなわちMyハンコが支配者層を中心に広まります。私印はある種、権力の象徴でした。

とりわけ豊かな私印文化を見せるのは、群雄割拠の戦国時代。織田信長の印にはかの有名な「天下布武」の文字が。もちろん「織田信長」なんて名前は入っていません。武田信玄にいたっては文字を刻まず龍の図柄だけです。ライバル上杉謙信の印に虎が入っているのも対比的で面白いですね。そのほか、キリシタン大名と呼ばれた大友宗麟、細川忠興らも、ローマ字を使った独特の印を残しました。

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出典:JS会「2018年の世相をハンコにする『歳の印』とは?」

 

令和でも進化中

ハンコが一般に広まったのは明治に入ってから。新政府が太政官布告を行なった際「本人が自書して実印を押すべし」と定めたためです。

そこから日本人の生活にすっかり根付いたハンコは、令和に入っても進化を続けています。

たとえば「痛印」なんてものがあります。読みは「いたいん」。アニメや漫画のキャラクターを図柄にしたハンコです。ハンコ=自分の名字という考えはもう古い。推しを押して楽しめる、まさに伝統と革新の融合ですね。

 

2023年、ハンコ史の最先端へ

ハンコには実に多様な楽しみ方があります。歴史に思いをはせてもよし、美しい印影に見とれてもよし、こだわりを込めたMyハンコを作ってもよし。脱ハンコだからといって、これまでの豊かな文化を切り捨てるのはもったいない! 手始めに2023年をハンコに刻んで、豊かな歴史の次の一歩をつくりませんか。

 

ライター
荻野

公募ガイド社の駆け出し社員。趣味は絵を描くことと漫画を読むこと。食べることも結構好き。最近は自炊を始め、目玉焼きを自分好みに焼けるようになってきた。お料理系の公募に興味がある。

出典: https://jskai.net/876.html

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