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Look  第13回 「受けてよかった人間ドック」体験記コンクール

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公募ガイド編集部が、いま最も注目しているコンテストをご紹介します。 審査のポイントからアイデアの出し方まで、作品づくりのヒントが満載!

あなたの作品が、
誰かの受診のきっかけに
なるように

「受けてよかった人間ドック」体験記コンクールでは、人間ドックの受診を通して気づいたことや感じたことをつづった体験手記を募集している。 自身の体験だけでなく、人間ドックを受診した家族や身のまわりの人を題材にしても応募可能なところが珍しい。2000字以下の体験記募集コンクールのなかでも、 30万円という賞金額は非常に魅力的だ。どんな作品が求められているのか、日本人間ドック健診協会 事務局に執筆のヒントを聞いた。
――人間ドック体験記コンクールの応募資格は不問とありますが、主にどういった方からの応募が多いでしょうか。

お勤め先の福利厚生を利用して人間ドックを受診する中高年の方が多いこともあり、コンクールの応募者は、40代~60代の方が中心となっています。 人間ドックの受診率は子育て世代の主婦が最も低いのですが、コンクールではその世代の女性にも多く参加していただいています。また決して多くはありませんが、学生の方からも応募があります。

――人間ドック体験記というテーマで、第11回は高校生が最優秀作品賞に輝きました。選出されたポイントを教えてください。

「いま、ここにある命」は、父親のがんを発見してくれた人間ドックへの感謝の気持ちや、健診の大切さを自分事として考え、親世代に訴えているところが評価されました。 また、読んだ人に伝わりやすい言葉で表現されていた点も最優秀作品に推された理由のひとつです。ほかの受賞作品や入選作品も、説得力のあるエピソードや体験談が盛り込まれている作品が多かったため、審査員の先生方も非常に迷われていました。

――読んでいて「人間ドックを受診しなきゃ」と身につまされる思いをした受賞作品が数多くありました。

本コンクールは「年齢に関係なく、もっとたくさんの人に人間ドックを受けてもらいたい」という思いから開催されています。ですから、人間ドックの受診が生活習慣を改善するきっかけになったとか、重大な病気が見つかり健康に対する考え方が変わったなど、「私も受けなきゃ!」と思わせてくれるようなエピソードがある作品は、 審査員の先生方の印象に残りやすいです。人間ドック受診を推進する目的は、主に国民の健康寿命を延ばすことにあります。そこを意識して表現している作品は、おおむね毎年評価が高いですね。 コロナ禍ということもあり、受診を控えている方もまだ多く見受けられます。そういった方や人間ドックをまだ一度も受けたことがない方の心に響くのは、やはり受診した方の体験談だと思います。人間ドックの受診をためらっている人の背中を押してくれるような作品が、今後たくさんくることを期待しています。

――最後に、応募を考えている方に向けてメッセージをお願いいたします。

本コンクールの特徴は、人間ドックを受けた本人以外の方にも応募していただけるところです。家族や友人など、人間ドックを受診している人が周りにいる方には、ぜひチャレンジしていただきたいですね。自分の体験ではないからこそ、違った視点で書けることもあると思いますよ。 「人間ドックを受診することは大切だよ」「受診するとこんな良いことがあるんだよ」と人間ドックを受けたいと思ってもらえることが重要です。文章表現や語彙力については気にしなくて大丈夫。人間ドックをPRするような気持ちで作品づくりをしていただけると嬉しいですね。

体験記はどうやって
書けばいい?
うまくなる方法や
注意点を紹介します!

書きたいエピソードや体験記を書きたいという気持ちがあっても、いきなり書き始めるのは難しいもの。ここでは、体験記の書き方をご紹介します!

面白い体験記を書くには?

「○○だった」「○○と思った」のように、体験をそのまま書くだけでは面白い体験記になりません。自分の身の回りに起こったことを、新しい切り口で書いてみましょう。自分なりのメガネを通して出来事を見るのがポイントです。

語り口にも注意しましょう。感動エピソードならやわらかく、面白いエピソードならコミカルな文章にする必要があります。

たとえば、「あれは〇年〇月〇日の午後五時のことだ」のような文章は、少し堅苦しい印象を受けますね。堅い文章が適しているテーマならよいのですが、身近な体験談を書くなら「十年前のとある夕方のことでした」のように書き直した方がいい場合もあります。

また、書き出しも重要です。 続きを読みたいと思わせる書き出しは、一朝一夕に生み出せるものではありません。何種類か候補を考えてみて、その中で一番よいものを選びましょう。書き出しを考えるのが苦手な方は、「会話文」で始めてみるのも手です。

文章が長くなりすぎて
しまう人は?

まずは、無駄な文がないかチェックしましょう。無駄な文とは、「すでに出てきたことがらの繰り返しや、わかりきったこと」が書かれた文章のことです。

例を挙げてみましょう。

〈例〉
私は店に財布を忘れたことに気づき、慌てて①その店に電話をかけました。
②もしもし、タナカと申します。店に③財布を忘れてきてしまいました」
「もしかして、お忘れになったのは緑色の財布でしょうか?」
店員さんが電話口でそう言いました

「店に」財布を忘れたことはすでに明言されているので、下線部①の「その店に」は不要です。括弧の中が電話であることがわかるので「もしもし」がなくても伝わりますし、「財布を忘れた」という内容も文章に2回出てきてしまっています。

たとえば、以下のように書き直してみるとどうでしょうか。

〈例〉
私は店に財布を忘れたことに気づき、慌てて電話をかけました。
「もしかして、④お客様がお忘れになったのは緑色の財布でしょうか?」
店員さんが電話口でそう言いました。

かなりすっきりとしましたね。思い切って「私」の台詞をカットしましたが、これでも内容は伝わります。そのかわり、鍵括弧が「店員さん」の台詞であることがわかりにくくなってしまったので、下線部④を追加しました。

体験記を書くときに
やらない方がいいことは?

自慢話や他人の悪口を書くのは厳禁です。どうしても自慢話や悪口になってしまいそうなときは、自分の素直な感情を書くと回避できることが多いです。「先生に叱られた。あいつは嫌な奴だ」と書くと悪口ですが、「先生に叱られた。まるで全世界が自分の敵になったかのように感じた」と書くと悪口にはなりません。

体言止めの多用も避けた方が無難です。体言止めは新聞や広告に使われる手法なので、体験記やエッセイのような文芸作品には向きません。

推敲は必ず行いましょう。できれば紙に印刷して、赤ペンで修正を入れてみるのが望ましいです。誤字・脱字の修正はもちろん、繰り返し表現がないか、体言止めを使いすぎていないかなども確認します。

締め切りまで時間のある方は、原稿を一晩寝かせて次の朝に再読してみるとよいでしょう。昨日は気づかなかった文章の粗が見つかることも多いです。

体験記がうまくなる
参考サイト7選

<体験記の書き方サイト・記事>

①エッセイ工房
https://essaykobo.com/
「書き方のヒント」からエッセイ(体験記)の書き方を見ることができます。エッセイの基本を押さえたい方におすすめ。

②朝日新聞EduA
日本福祉大学 第20回高校生福祉文化賞エッセイコンテスト「書く力UP講座」出張授業

https://www.asahi.com/edua/article/14617646
評論・小論文寄りのエッセイを書きたい方におすすめの記事です。論理的に文章を学んでみたい方には参考になるでしょう。

③かがみよかがみ 特集:エッセイのコツ
https://mirror.asahi.com/features/tipofessay/
テーマ(お題)のあるエッセイを、どう読ませる作品にするか、というエッセンスが詰まっています。いつも規定分量に満たなくて悩んでいる方必見です。

④公募ガイド 特集バックナンバー
https://www.koubo.co.jp/tokushu/tokushu.html
雑誌『公募ガイド』の過去の特集を見ることができます。おすすめは、8月号 特集1 「伝わる文章とは? エッセイを書く『欲』と『力』」。

<体験記が読めるサイト>

⑤note
https://note.com/search?q=%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%BB%E3%82%A4&context=note&mode=search
アマチュアからプロまで、多くの書き手が集う大手サイト。検索窓に気になるワードを入れて調べてみましょう。

⑥webちくま
https://www.webchikuma.jp/
エッセイ、評論、書評など、様々なジャンルの文章が読めます。書評とは、読者に「この本を読みたい」と思わせる文章のこと。「人間ドックを受けたい」と思わせる体験記の参考になるかも。

⑦晶文社スクラップブック
http://s-scrap.com/
文学性の高いエッセイが読めるサイトです。「連載」から気になるタイトルを読んでみましょう。

 
人間ドック受診の
メリットを分かりやすく
伝える

「受けてよかった」と感じた点を、エピソードを通じて語ることが一番大事なポイント! 前回の最優秀作品は、子宝に恵まれたというエピソードに加え、人間ドックを受けた先の未来を描いている点が評価された。

 
受診の過程や、
その後の気づきを
自分の言葉で語ろう

病気の早期発見だけでなく、たとえ見つからなかったとしても受診を通じた気づきを書けばOK! 海原審査委員長の言う「女性経営者とシングルマザーのスタッフが一緒に受診した話」も、受診を通じて新たな人間関係が生まれた点を描いたことに真新しさがある。

 
中高年男性だけでなく、
女性や若い人の視点も◎

固定観念は不要。同僚や友人同士で受診したなどの体験も貴重。 また、本人が受診していなかったとしても、家族や友人が受診したことで自分自身の心や行動に変化は生じるはず。

過去の作品を
参考にしてみよう
ABOUT

不妊治療がうまくいかない夫婦の夫の目線から書かれた作品。病気の発覚から手術成功までの感情の機微が丁寧に描かれている。最終的に赤ちゃんを授かったというエピソードが評価された。

ABOUT

年に1度必ず受けている人間ドックでがんが発見された父親の体験談を、中学生の目線からつづった作品。自分のためだけでなく、自分の周りにいる大切な人を悲しませないために受診してほしいという強い思いを感じる。

ABOUT

健康に自信があった筆者が、人間ドックで肺腺がんが見つかった体験を通して、3つの気づきを得たことが具体的に書かれている。筆者が人間ドックの受診から得たものはすべて、読んだ人の共感を呼ぶ内容だった。

ABOUT

毎年一緒に人間ドックを受診している夫婦の体験談。二人で励まし合いながら、生活改善にいそしむ姿がまぶしい。一人ではあきらめてしまうことも、二人なら頑張れる。良い結果が出れば、喜びも二人分だ。

 
あなたや家族・知人が人間ドックを受けた体験、その中で感じた気づきを綴った体験手記を募集。
最優秀作品賞(1点)
………………………賞金30万円
ドック学会賞(1点)…… 賞金10万円
ソニー生命賞(1点)……賞金10万円
健保連賞(1点)……健康関連商品
応募規定 メールの場合は1,200字以上2,000字以内。郵送の場合は400字詰めA4版原稿用紙で3枚以上5枚以内。
応募方法 メールまたは郵送で応募。
締切 2024年1月31日(水)
発表 2024年7月12日(土)人間ドックの日

応募要項の詳細は公式サイトを
ご確認ください。