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才能をお金に換えよう!①:人に買ってもらえる文章を書く

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人に買ってもらえる文章を書く「売文」バイブル

文章を書いて売る人のことを売文家と言う。
売文家にとって文章は商品であり、商品には質が求められる。その条件を5つ挙げよう。

個性的な文体は報道文には不要

売文家(ライターや投稿家)が書く文章は、文芸の文章というよりは、報道の文章であることが多い。
報道の文章は、平明、平易でわかりやすく、妙な書き癖などはないほうがいい。ここではそうした文章の書き方についてまとめてみよう。

文芸の文章

文芸の文章はきわめて個人的なもの。求められるのはオリジナリティー。どう書くか、売れる売れないを含め、すべての責任は作者にある。

報道の文章

新聞、雑誌、WEBの文章には客観性が必要で、主観はあまり必要ない。癖もないほうがいい。少なくとも個性的な文体は不要。

段取りが肝要

何をどう書くかは決めておくこと

小説や詩のような創作の場合は、天啓に導かれたように書き出し、その後も即興のようにして書いていくこともあるが、コラムや投稿などの一般の文章の場合は、何をどんな順番で書くかを把握してから書き始めることが肝要だ。
つまり、計画を立てるということだが、そのためには左記のような構成シートを作るといい。
まず、主題を書く。主題とは、その文章で書きたいこと、言いたいことを要約したもの。次に、盛り込みたい要素を箇条書きにしていく。この順番は適当でよい。

見た目が9割

「見た目がいい」は文章の最低条件

「中身がどうであれ、この作者の本はすべて買う」という人がいる。信用保証という言葉があるが、その人はその作者のことを信用しているのであり、作者も読者の期待を裏切ったことがない。だから、買ってくれる。
アマチュアや無名の書き手の場合、名前で質を保証することはできない。
では、「これは読む価値がありそうだ。少なくとも読む人への配慮はある」と思わせる決め手は何かというと、まずは見た目だ。見た瞬間、「げえっ」となってしまう原稿ではだめだ。

書き出しでつかめ

書き出しで内容の全体を示そう

見た目の次に重要なのは、書き出しの3行だ。ここで読み手の心をつかまなければ、読み手は逃げてしまう。
書き出しでは、最初に核心的なことや結論的なことを書く。
文章は読んでみないことには全体像はつかめないが、全部読んでから「これは私には必要のない文章だった」となっては時間のむだなので、最初の部分を読めば何が書かれているか大筋がわかるように書いておく。
これは一般的な文章の基本だが、コラムやエッセイのような文章の場合、これをアレンジし、もっとつかみになるようなことを書いてもいい。「へえ」というようなことを書くわけだ。

つかみのパターン

  • 核心的:書きたい文章の中心。主題。「要するにこういうことが言いたい」ということ。
  • 結論的:賛成なのか、反対なのか。見解、最終的にどう思っているのかなどの結論。

気付きと共感を入れる

コラムや投稿では気付きと共感を

売文家が書く文章は客観的な報道の文章ばかりではなく、コラムや投稿のような主観が入る文章もある。
そこでは「へえ」という気づきや、「わかる!」という共感が必要になる。
「気づき」を得るには洞察力、観察力が求められ、「共感」を得るには客観性が必要だ。いくら独自であっても、他人の思いと重なる部分がない文章は読んでも面白くない。

気付きと共感への感想

  • へえ、そうなんだ:未知の情報や、既知の情報でも新しい見方や盲点を指摘されたときに起こる反応。新鮮な驚き。
  • なるほど、確かに:「言われてみればそのとおりだ」という反応。驚きもあるが、納得や同意の思いのほうが強い。
  • あるある、わかる:「自分にも身に覚えがある」「痛いほどわかる」という反応。感情移入、同情、共感、共鳴。

情報の出し方・隠し方

話の前提、外枠は事前に書いておく

散歩するときも、今どこにいるかがわからないと迷子になる。
これと同じで、文章を書くときも、文章全体のアウトラインを示し、そのうえで中に入っていくとわかりやすい。
話の前提、外枠を先に書かないとわかりにくいということだが、書き手は話の前提を知っているので、書くまでもないことと書き忘れてしまいがち。欠陥は自分で書いたものを一歩引いて俯職しないと見えてこない。

WEBライターという仕事

書くことを仕事にしたい人に人気なのがWEBライター。
それはどんなところで募集され、報酬はいくらか。入門編として概要を紹介しよう。

地方でもできる「書く」仕事

ネット環境があればだれでもできる

WEBライターとは、インターネット上にあるメディアに記事を書くライター。WEBメディアは増え続けており、ネット環境さえあれば誰でもできる、今人気の仕事だ。
WEBライターと言っても、掲載メディアがWEBというだけで、紙メディアに書いている人と変わらないライターもいる。
そのうえで紙メディアのライターとの違いを言えば、まず納期が早い。WEBは日々更新されるのでサイクルが早い。
需要も多い。WEBには閲覧する人のための記事もあれば、SE0対策(検索順位を上げる)のための記事もあり、常に書き手を求めている。
WEBライターの仕事の見つけ方は、主に以下の4つ。

  1. 検索エンジンで検索する。
  2. SNSで探す。
  3. クラウドソーソングで探す。
  4. 代理店(編集プロダクションやコンテンツマーケティング企業)にライター登録する。

二極化するWEBライター

スキルがあるライター

文章力、取材力、情報収集力、分析力などがあり、ほかのライターには書けない質の高い原稿を書く人。
そして納期などもしっかり守る社会人であれば、仕事の依頼が来る。原稿料も高くなる。

スキルがないライター

依頼した内容とは違うものを書く、データもあやふや、文章も日本語になっていない、納期も守らないのでは仕事は来ない。来ても格安。スキルアップしようという姿勢と、何か持ち味が1つ欲しい。

原稿料は能力次第、平均は1文字1円

WEBライターに必要なスキルは、まず文章力。と言っても小説やエッセイとは違い、あくまでも読み手のために書く商業文。だからそうした客観的な文章を書くスキル(たとえば、日本語や常用漢字の知識など)が求められる。
収入はスキルがあるかどうかで違う。特定のジャンルに特化した専門的なライターで、その人にしか書けない原稿なら原稿料は高くなるが、質を問わない
原稿だと格安になる。
平均額は1文字1円と言われており、400字詰め換算で5枚の原稿なら2000円ということになるが、なかには1文字0.1円という格安の仕事もある。このような仕事は専業ライターはやらないが、おこづかい稼ぎにやる人もいる。
初心者は格安でも仕方ないが、少しずつでもスキルを身につけ、ジャンルにも特化したほうが仕事も取りやすいし、原稿料も高くなる。

読みにくい原稿

  1. 字が汚い、乱雑
  2. 達筆すぎる
  3. 癖がすごい
  4. 字が小さい
  5. 字間が空きすぎ

ワンポイントアドバイス

不足を見つける
肝心なデータが抜けてないか確認しよう。肝心なデータとは、「いつ、どこで、誰が」といった5W1Hのこと。

 

平明を心がける
難しいことを難しく書くのではなく、誰にでもわかるように書く。「おばあちゃんでもわかるように」がコツ。

 

自己批判の目
文章を書くときは「この書き方でいいのか」「独りよがりではないか」といった自己批判の目は絶対的に必要。

 

※本記事は「公募ガイド2018年6月号」の記事を再掲載したものです。