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ネットの海で物語る【第15回】作品の宣伝について

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作品の宣伝について

書籍化作業も終わり、あとは発売日を待つだけ……。
もう作者にすることはなにもない。
わけではなく、できることはあります。

それは、作品の宣伝です。
自分の作品が発売されたことを、少しでもたくさんの人に知ってもらいましょう。

SNSでの宣伝

X(旧Twitter)やInstagramなどを利用しているなら、発売日の前に告知しましょう。 このとき、書影や簡単なあらすじなども添えておくといいと思います。
注意点として、告知は公式(出版社・編集さん)から情報を出してもいい日時を確認してからにしてください。
時々Amazonや電子書店などでなぜか公式より早く発売情報が出てしまうことがあるのですが、それと公式からの情報解禁の許可は別の話です。共有したくなってしまいますが、ぐっとこらえましょう。
情報漏洩は信用を失うので、本当に注意してくださいね。

告知をするときには「書籍予約・取寄せ用紙生成ツール」が便利です。
https://monokakitools.net/bookinfo/
簡単に書籍の情報を画像にまとめられます。
書影の使用については編集さんに聞いてもいいですし、版元ドットコムでも確認してもいいでしょう。
https://www.hanmoto.com/

SNSでの告知・宣伝がきっかけで、創作仲間であったり、たまたまあなたの宣伝を見かけた方が作品を購入してくれるかもしれません。
自分は発売前「1冊も売れなかったらどうしよう」という不安があったのですが、創作仲間の「絶対買うよ~!」という言葉に救われていました。そういう意味でも、発売告知はしてもバチは当たらないと思います。自分だけかもしれませんが、発売前ってマジで情緒が変になります。「自分の作品が本となって世に出る感動」「売れなかったらどうしようという不安や謎の焦燥感」など、正と負の感情がぐちゃぐちゃに混ざっていました。メンタルのコントロールって大切です。

書店さんへの挨拶(書店まわり)

「自分の作品が書店に並んでる」って夢のようですよね。
作者としてお礼を言いたい。挨拶をしたい、あわよくば宣伝もさせてほしい……(笑)という気持ちにだってなってきます。
もし、あなたが普段お世話になっている書店さんに挨拶をしたい場合は、望月麻衣先生のこちらのnote記事が役に立つと思います。

■デビューしたばかりの作家さんへ伝えたい5つのこと(老婆心)
https://note.com/maimotiduki0314/n/n4715efb350df

こちらの記事に丁寧に宣伝方法や書店まわりについてのアドバイスが書いてあります。
これからデビューする人は必読と言っても過言じゃない内容です。
正直この記事を紹介したら、私は何も書くことがないくらいで……(笑)
私もこの記事を参考にして、無事に書店さんへの挨拶をすることができました。
なにより「デビュー前ってなにをすればいいんだ!?」という不安に寄り添ってもらえます。

一番大切なこと

さて、最後に一番大切なことを書きたいと思います。

作者自身がSNSで宣伝したり、様々な形で広報をするのは出版社さんや書店さんも嬉しいはずです。ですが、必ずしなければいけないものではありません。それに、しょせん作者ひとりでする宣伝には限界があります。

小説を書いていることを隠している人もいれば、精神的負担からSNSをしてない人もいるはずですからね。それを申し訳ないと思わないでほしいんです。

小説家として私たちが一番しなければならない宣伝は「面白い作品を書くこと」と「次の作品をまた書いていくこと」なんです。 宣伝で精神を消耗して、次の作品を書けない状態になっては本末転倒です。ですので、絶対に無理はしないでください。「SNSが苦手だけど頑張らなきゃ」なんてことは思わなくていいんです。

個人のマーケティング能力が試される時代ですが、創作においての本質的な姿勢は変わらないはずです。デビュー前も、デビュー後も。 次回は、書店さんに挨拶に行ったときのエピソードをお話する予定です。

※次回は1/24(水)更新予定です。


■profile
蜂賀三月 (はちが みつき)
小説家。ショートショート、児童書、YA小説をメインに執筆活動を行う。著書に『絶対通報システム~いじめ復讐ゲームのはじまり~』(スターツ出版)、 短編小説収録『5分後に奇跡のラスト』(河出書房新社)など。小説情報メディア 「WebNovelLabo」 を運営。