あなたとよむ短歌 vol.47 テーマ詠「辛いもの」結果発表 ~短歌の質問、まだまだ回答します!~(2/3)
それでは、佳作のご紹介です!
なんなのよそんなに汗を吹き出して嫌なら嫌と言えばコチジャン
(ぱせりさん)
「嫌なら嫌といえばいいじゃん」のノリで「コチジャン」を足してくるところに笑いました。
病院が戦場と化し赤ちゃんが世界に向けてひたすらに泣く
(新海あぐりさん)
「世界に向けて」という表現に胸が痛みます。赤ちゃんには目に見えているそのものだけが「世界」。
なあ蛍、あまい求人広告で入社をしたら辛いものだよ
(高瀬昌久さん)
「ほたるこい」の歌詞がベースの一首。蛍は静かに愚痴を聞いてくれそうです。
うまいよとからいよだけの日本語で俺ひきつける外国の店
(きのこさん)
相手の日本語も大雑把なら、こちらも「外国の店」という大掴みの認識。でもおいしさは共通です。
アラビアのことを知らない僕たちがアラビアータを温めている
(泰源さん)
山田航さんの短歌「たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく」を想起する魅力的な一首。コンビニか、冷凍食品のアラビアータかもしれませんね。私も今日の昼はナポリタンでしたが、ナポリのことを知りません。