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ネットの海で物語る【第16回】書店さんへの挨拶まわり

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書店さんへの挨拶まわり

いつも自分が利用している書店さんに、自分の作品が並ぶ。
想像すると、夢のようですよね。
私も商業デビューの際に機会をいただき、いくつかの書店さんにご挨拶に行くことが叶いました。

はじめに

書店さんへの挨拶は許可なく、急に行ってはいけません。
出版社や担当編集さんに事前に相談し、アポイントメントを取るのがいいと思います。 作者自身で調整する場合も、マナーを守り、節度を持った行動をとってくださいね。
作者の行動は、自分の作品はもちろん、ひいては出版社に少なからず影響を与えます。

書店さんへの挨拶をする準備

前回に紹介した望月麻衣先生の記事にも書いてあるのですが、私もそれにならい準備をしました。

■デビューしたばかりの作家さんへ伝えたい5つのこと(老婆心)
https://note.com/maimotiduki0314/n/n4715efb350df

■名刺
名刺のデザイン・作成・印刷をするサービスは数多くあります。
私はデザインから印刷まですべてCanvaで行いました。
https://www.canva.com/

Canvaはオンラインで使えるグラフィックデザインツールです。
ツール内でQRコードの生成もできるので、すごく便利です。
簡単に自分好みの名刺が作れますよ。

こちらは作成途中でのプレビューの画像です。 実際の紙の品質も良いので、名刺を交換したときに褒めてもらえることが多いです。笑

サイン色紙

私はその場で書くのは緊張しそうだったので、事前に書いておきました。 ご挨拶させていただく書店さんの店名と作品名、そしてサインを添えました。 サイン用の小さい色紙はDAISOなどの百円ショップに売っています。 飾るのに便利な小さい色紙用のカバーも売っていますよ!

サイン色紙を「ご迷惑じゃなければ……」とお渡ししたのですが、後日書店さんにうかがったところ、とても素敵に飾っていただけました。

※写真撮影の許可を特別にいただいております。(三洋堂大野店様)

ご挨拶させていただいた書店さんのひとつに、わざわざ蜂賀のために通常サイズの色紙を用意してくださった書店さんもありました。 その優しさに感動しつつ、緊張しながらその場でサインさせていただくことになりました。
そして私は、自分的にイメージカラーだと思っている黄色でサインを書くことにしたんですが……。

――黄色で書いたら、全然サインが見えませんでした。

でも今さら「失敗しました! めっちゃ見にくいので違うのに書いていいですか?」なんて言えるはずもなく。
冷静に考えたら白い色紙に黄色で書いたら見にくくて当然ですよね。 失敗で半ばパニックになっている私に「大丈夫ですよ~」と、書店員さんは優しく笑顔で対応してくださいました。
どうにか落ち着きを取り戻し、事前に用意していた色紙を渡して事なきを得ました。

これから色紙にサインを書く皆さんは、絶対に黄色でサインを書かないでください。お願いします。私と同じ轍を踏まないでください。

失敗もありましたが、私はこの“書店さんへ挨拶をさせていただいた”経験のおかげで、創作活動のモチベーションがあがりました。
「もっといい作品を書いて、地元の書店さんに恩返しができたらいいな」と思えるようになったからです。
小説を書き続けるのにはモチベーションが必要です。辛いこともありますし、心が折れてしまいそうになるときだってあります。そんなときに、自分の作品を受け入れてくれた方々との思い出は、自分の力になってくれます。

無事に商業デビューを果たした私でしたが、これはゴールではなく、また新たなスタートでした。

次回は、商業デビュー後の活動について話していきます。

※次回は2/21(水)更新予定です。


■profile
蜂賀三月 (はちが みつき)
小説家。ショートショート、児童書、YA小説をメインに執筆活動を行う。著書に『絶対通報システム~いじめ復讐ゲームのはじまり~』(スターツ出版)、 短編小説収録『5分後に奇跡のラスト』(河出書房新社)など。小説情報メディア 「WebNovelLabo」 を運営。