3日間で書ける!小説講座1:まずは原稿用紙10枚から
「小説なんて書けない」と思っているあなたのために、着想から推敲まで手ほどきする小説キットを作成した。書き込み方式なので、読むだけでなく、どんどん使いこなし、あなたも書ける人になろう!
「無理!」を解きほぐす
小説を書くには時間がたくさんかかる。仕事は忙しいし、土日も毎回は使えないし、時間がない。
そんな人は原稿用紙10枚から始めよう! 10枚なら綿密なプロットは必要ないし、自分がモデルならキャラクター設定も特にしなくて大丈夫。慣れれば書く前の設計の部分も楽しくスムーズになるので最初は時短でOK!
小説が書けるのはもともと才能のある人だけ……
才能がない人はいない。誰でも必ず持っている。要はどう磨くかどうか。何度もトライ&エラーを繰り返して書いていこう。
コツコツ頑張れない。いつも3日坊主になっちゃう……
3日坊主でOK! 3日で書けるものを何度もくり返せばいい!
小説には皆がアッと驚くようなネタが必要? 書けそうなよいアイデアが全然浮かばない……
特別なことだけが小説の材料じゃない。よい小説の条件は気づきや共感があること。君の日常生活の中にこそ、読者が共感できる味わい深いエピソードは眠っているはず。
小説はあまり読まない。やっぱり読まなきゃ書けない?
読んだほうがもちろんいいけど、たくさん読まなきゃと思って立ち止まるより、まず書いてみよう!
作家は下調べだけで何カ月もかけるって聞いたことがある。そんなに緻密な準備はできない。
確かにそういう場合も多い。でもそれは知らない世界について書いているから。逆に言えば、自分の得意な分野で書けば下調べは不要ということ。初心者は自分の知識や経験をもとにして書いてみよう。
書けば本当に上手になれるの? ずっと下手なままな気がする……
心配無用! 多くの作家たちも言っているように、書けば書くだけうまくなる。
自分の文章をうまいと思ったことない……
あまり気負わずに、楽しく書ける枚数から始めてみよう。大人が書けないと感じるのは「読む力」が「書く力」を大きく上回っているから。自分の文章を下手だと感じる人ほど「読む力」があるから成長の可能性も高い!
読者を感動させたり楽しませたりしなきゃいけないなんて無理。
まずは自分が面白いと思うものをどんどん書こう。自分が楽しんで書けることが一番大切なこと。
「私には書けない」は思い込み?
水泳の北島康介選手を世界一に導いた脳医学の林成之教授は、勝つ人は勝てると思っていると言う。
では、どうしたら勝てると思えるかと言えば、それは小さな成功体験を積み重ねること。小説で言えば、3枚でも5枚でもいいから、「書けた!」をくり返すことが「100枚も書けた」「1000枚も書けた!」につながる。
一度も書いたことがない人、もしくは、書こうと試みたことはあるが、完成までたどり着けなかった人からよく聞くのは、「私には小説なんて書けない」という言葉。
でも、たいていは難しく考えすぎている。確かに、最初からプロの作家のように、読みやすさも面白さも感動も、何もかも取り入れようとしたらかなり難しいし、挫
折する。だから最初から大作を狙わず、小さな「完成」を積み重ねることが重要だ。
料理で言えば、いきなりフルコースに挑戦して、「やっぱり素質がない」と思うのではなく、オムレツから始め、「できた!」を味わうことのほうが価値がある。
頑張りすぎず、まずは短編を一つ完成させよう。
INTRO:誰でも書ける!3日間で完成!小説講座
夏休みを使って初めての小説を
小説を書こうと思っても、何をどう書いたらいいかわからないという人は少なくない。
そこで本特集では、題材、ストーリー、構成といった書く前の作業から、執筆後に挫折してしまわないための心構え、推敲のコツまでを順を追って解説していく。
アイデアは時間さえあれば思いつくというものではないが、うまくいけば3日で完結させられる。
3連休や夏休みを使って、初めての小説を書き上げよう。
かける枚数から始め、完結させよう
小説が書けない人は、だいたい同じところでつまずく。
そこで、このキットでは、つまずきポイントに先まわりし、「題材が見つからなければ、実体験をベースに」のように、誰でも書けるようなやり方を提案し、メンタルについては「挫折しそうになったときの対処法」を解説。
目指す枚数は原稿用紙10枚。この枚数にしたのは、誰でも完結でき、小説としての表現も過不足なくできるからだが、目的は完結させることだから、10枚が難しければ5枚でも3枚でもいい。
書く準備ができたら、まずは書き始めよう。多少の粗は推敲で直せる。まずは完結させる。これが成長の鍵だ。
小説講座学習プログラム
STEP1:題材:実体験をベースに題材を探す方法を解説。
STEP2:ストーリー/人物造形:題材をもとにそれをストーリー化していく。人物に履歴と性格を与え、生きた人物にする。
STEP3:構成:代表的な3つの構成法について解説。
STEP4:執筆の心構え:執筆の前に、挫折しないための心構えを知る。
STEP5:推敲:完成度を高めるためにブラッシュアップ法を知る。
STEP6:添削実例:完成した作品を講師が添削。その実例を示す。
※本記事は「公募ガイド2020年9月号」の記事を再掲載したものです。