モニター完全ガイド5: 放送モニター・行政モニター


放送モニター:番組スタッフになったつもりで
テレビを視聴、またはラジオを聴取して意見、感想をレポート提出する放送モニターは、どこか新聞モニターにも似たところがあり、単に感想を聞こうというのではなく、一緒に番組制作をしようというところがある。よく「社外モニター」の名称で募集されるが、印象としては社外スタッフ募集だ。
仕事量は局によるが、NHKの場合、月12本×6カ月×原稿用紙1枚とすると、計72枚、かなりの量になる。
その分、謝礼が月1万5000円なので、6カ月やれば9万円になるが、場合によると興味のない番組をじっくり観なければならないので、テレビやラジオが好きで、番組作りにも興味がある人に向く。
利点
好きなことをやって稼げ、放送局の内部を見学でき、自分の意見が採用されて番組に反映される喜びがある。
欠点
書くことが好きで、早くないとつらい。録画・録音しておくとしても、多少は時間に余裕がないとできない
放送モニターのポイント
あったほうがいいもの
番組はリアルタイムで視聴、聴取しなくていいが、早朝や深夜の番組を指定されることもあるので、録画、録音機器は欲しい。また、マストではないが、見逃した番組が見られるティーバーや、スマホで見られる機器があると便利。
リポートの書き方と量
1本の文字量は局にもよるが、400~600字。掌編でも月に1~2編しか書けない人はきつい。
ただし、作文のように1作品としてまとまっている必要はないので、意見、感想を箇条書きにして肉づけする要領で書いてOK。
放送モニターの特徴
募集は年度末、1~3月ぐらいに行われることが多い。任期は6カ月か1年が多い。定員は10~20名で、全国放送の局はもう少し多いことも。リポート、モニター会議が業務で、ほか局の見学会がある場合も。
応募文を工夫しよう
行政モニター:政策の影響や、生活の実態を報告
行政モニターも意見モニターの一つだが、放送モニターや読者モニターのような意見、感想を求めるというより、現在実施されている政策の影響や、国民(都道府県民、市町村民)生活の実態を報告するという意味合いが強い。文字どおりモニター(監視・点検)をするわけだ。
官公庁や自治体によって募集され、任期は1年か2年。活動内容は、簡単なアンケートに月1回程度答える、リポートを提出する、何回か開催されるモニター会議に出席するなどだ。募集は年度末に行われることが多く、インターネットによるeモニターも増えている。謝礼は年1万円程度で、なかには無償のものもある。
利点
負担は大きくない。モニター活動に伴う専門知識が得られ、関係者しか入れない施設を見学できることも。
欠点
業務は地味。謝礼は高くない。同じモニターを何度もできず、似たモニターのかけもち禁止の場合もある。
行政モニターあるある
公務員でないこと
行政モニターでは「公務員は不可」という条件がよくある。応募資格をよく確認しよう。
年齢・性別・居住地を考慮
公的モニターは偏向を嫌う。さまざまな人に参加してもらえるようバランスを考えて選考。
未経験者優先
同じ人を何度も採用できない。定員割れがあれば別だが、未経験者が優先されることも。
ネット環境にある人
データ集計が便利なので、アンケートもリポートもインターネットで行うものが多い。
行政モニター応募の心得
賞金ゲッター向きではない
ひと頃に比べて謝礼は安くなっている模様。
年に何回かアンケートがあり、謝礼1500円ということも。やる気のある人が望まれる。
募集内容を把握して応募を
思っていたものと違った、法令を覚えるのが難しい、意外と面倒ということもあり得る。
事前に募集内容をしっかり把握して応募を。
事前研修があるものも
予備知識がないとモニターできないものの場合は事前研修が行われることも。それを面倒と思わず、いい機会と思える人が望まれる。
※本記事は「公募ガイド2020年8月号」の記事を再掲載したものです。