「猪熊弦一郎の原点に迫る!20代・30代の創作活動を紐解く特別展が開催」
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で、「猪熊弦一郎展 画業の礎-美校入学から渡仏まで」が2025年1月26日から3月30日まで開催される。本展では、日本を代表する画家・猪熊弦一郎の20代から30代にかけての創作活動に焦点を当て、その画業の礎となった時期を紐解いていく。
猪熊弦一郎といえば、晩年に描いた明るく伸びやかな画風で知られるが、そこに至るまでには長い年月と試行錯誤があった。本展では、東京美術学校入学から帝展出品時代、新制作派協会設立、そして渡仏までの期間に焦点を当て、若き日の猪熊が「美とは何か」を追求し続けた軌跡を辿る。
展示の見どころの一つは、東京美術学校時代に描かれた自画像シリーズだ。当時の猪熊は日記のように自画像を描き続け、そこには感情を絵にあらわそうとする試みが垣間見える。また、1936年のベルリンオリンピック芸術競技に出品された版画作品《射的》も初出品となる。これは歴史的にも貴重な資料として注目を集めそうだ。
さらに、猪熊の画風に大きな影響を与えた二人の巨匠との出会いにも触れている。東京美術学校で師事した藤島武二からの「デッサンが悪い」という言葉、そしてパリでアンリ・マティスから受けた「お前の絵はうますぎる」という評価。これらの言葉が、猪熊の芸術観をどのように形成していったのかを探る。
本展は、戦時下の困難な時代にあっても前を向き続けた若き画家の姿を浮き彫りにする。同時に、MIMOCAが掲げる若手アーティスト育成の理念とも呼応しており、現代の若いクリエイターたちにも刺激を与える内容となっている。
会期中には、キュレーター・トークや親子向けの無料観覧日など、様々な関連イベントも予定されている。美術ファンはもちろん、若手アーティストや歴史に興味がある方にもおすすめの展覧会だ。猪熊弦一郎の原点に迫り、その芸術の真髄を体感できる貴重な機会となるだろう。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000142923.html