「現代最後のカオス」を描く!ノンフィクション作家・高野秀行の『イラク水滸伝』がBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞
ノンフィクション界に新たな旋風を巻き起こした高野秀行氏の『イラク水滸伝』が、第34回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した。この度、受賞を記念して、著者の高野氏と選考委員を務めた作家・桐野夏生氏による対談の全編映像が公開された。
『イラク水滸伝』は、ユネスコ世界遺産にも登録されたイラクの巨大湿地帯〈アフワール〉を舞台に、6年の歳月と3回の渡航を経て完成した渾身の一作だ。「現代最後のカオス」と呼ばれるこの地域で、高野氏は数多くの魅力的な人物たちと出会い、豊かな暮らしや文化、そして中東情勢の裏側を鮮やかに描き出した。
対談では、桐野氏が「ノンフィクションの原理主義者」と高野氏を称賛。一方、高野氏は桐野氏の選考に対して「本当に度胸がある」と感嘆の声を上げた。笑いあり、驚きありの対談は、両者の文学への情熱と探求心が垣間見える内容となっている。
Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、毎年1人の選考委員によって受賞作が選ばれるユニークな賞だ。1990年の創設以来、既成の概念にとらわれず、先進性と独創性のある新しい文学の可能性を探り続けている。
受賞記念対談の配信は2024年12月23日から2025年8月31日まで無料で視聴可能。MY Bunkamuraへの登録(無料)が必要となるが、期間中は何度でも視聴できる。文学ファンはもちろん、中東や異文化に興味がある方にもおすすめの内容となっている。
なお、次回第35回(2025年度)の選考委員は最相葉月氏が務める予定だ。今後も、Bunkamuraドゥマゴ文学賞が新たな文学の地平を切り開いていくことが期待される。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000031037.html