京都の伝統美に触れる!米国留学生が体験する絹と友禅の魅力
京都の老舗和装メーカー、株式会社伊と幸が、米国ペンシルベニア州立テンプル大学ジャパンキャンパス京都(TUJ京都)の海外留学生を対象に、ユニークな体験授業を開催する。2025年1月31日、同社の「絹の白生地資料館」にて行われるこのイベントでは、参加者が絹の魅力を学び、京友禅の技法を体験できる貴重な機会が用意されている。
伊と幸は創業93年の歴史を持つ和装用白生地メーカーだ。同社は2011年より「絹の白生地資料館」を運営し、着物の原点となる繭や生糸から白生地までを紹介してきた。今回の体験授業では、この資料館を活用し、参加者は絹の基礎知識を学んだ後、実際に友禅染めを体験する。
プログラムは2部構成となっている。まず、参加者は繭や生糸に触れながら、絹織物について学ぶ。1粒の繭から1.2km以上の繭糸が取れることや、1万粒の繭で初めて一人分の着物に必要な生糸量になることなど、興味深い事実を知ることができる。
次に、正絹生地を使った友禅体験が行われる。参加者は、伊と幸の図案家によるオリジナル柄の生地に、好みの色を挿していく。さらに、金箔を置いて仕上げるという本格的な内容だ。完成作品はアクリルパネルに挟んで持ち帰ることができ、インテリアとしても楽しめる。
この体験授業は、2025年1月に開校したばかりのTUJ京都の課外学習の一環として企画された。世界約80カ国・地域からの学生に、京都ならではの学びを提供することを目指している。伊と幸は、この取り組みを通じて海外留学生に日本文化の魅力を伝えるとともに、グローバル人材との交流を図り、相互理解を深めることを目指している。
絹は、生分解性があり環境負荷が低く、人の肌にも優しい素材として、欧米でも注目を集めているエコ素材だ。この体験を通じて、参加者は日本の伝統工芸の奥深さだけでなく、現代的な価値観にも通じる絹の魅力を発見できるだろう。
各回6名限定の少人数制で行われるこの体験授業は、13時と15時の2回開催される。参加費は材料費、指導料込みで11,000円(テンプル大学からの補助あり)となっている。京都の伝統美に触れたい留学生にとって、見逃せない機会となりそうだ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000154090.html