五木寛之が語る昭和の記憶!46人の著名人との出会いが蘇る『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』発売
昭和7年生まれの作家・五木寛之氏による新たなエッセイ集『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』が、新潮社から発売された。本書は、五木氏がこれまでに出会った46名の著名人との交流を綴った珠玉の作品集だ。
2025年は昭和100年、戦後80年という節目の年。その年に合わせて刊行されたこの一冊には、寺山修司、小林秀雄、八千草薫、瀬戸内寂聴など、すでに鬼籍に入った文化人たちとの思い出が鮮やかに描かれている。五木氏の筆致は、まるで短編小説を読むかのような臨場感にあふれ、読者を深いノスタルジーへと誘う。
本書の魅力は、単なる回顧録にとどまらない点だ。著者は「一時の出会いのなかで、ふと、ぽつんともらした一言に、その人物の真実があざやかに反映することもある」と語る。そして、その瞬間を捉えた「ワンショット」が本書のページに反映されているという。
例えば、寺山修司の「チグハグさ」が魅力的な才能として描かれ、小林秀雄が漏らした死についての真実の言葉が記されている。また、八千草薫が最後までイメージを背負って去った様子や、秋山庄太郎が徹夜麻雀で見せた意外な一面なども綴られている。
五木氏は、「私がこの世界でもっとも深い関心を抱いているのは、個人である」と述べている。この言葉通り、本書は単なる有名人の列挙ではなく、一人一人の人間性に迫る深い洞察に満ちている。昭和という時代を生きた人々の息遣いが、五木氏の温かな視線を通して伝わってくる。
『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』は、昭和の記憶を鮮やかに蘇らせる貴重な一冊となっている。文学ファンはもちろん、昭和の文化に興味がある読者にとっても、新たな発見と感動を与えてくれる作品だろう。1,705円(税込)で、全国の書店およびオンライン書店で販売中だ。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001854.000047877.html