東京都庭園美術館が、2025年6月7日から8月24日まで、展覧会「建物公開2025 時を紡ぐ館」を開催する。約6年ぶりとなる夏季の建物公開展で、緑豊かな庭園を望みながら、アール・デコ様式の粋を集めた旧朝香宮邸の魅力を存分に堪能できる。

1933年に竣工した旧朝香宮邸は、朝香宮夫妻がパリで触れた最新のアール・デコデザインを取り入れ、フランスの装飾美術家アンリ・ラパンに内装デザインを依頼。宮内省内匠寮の技師らが設計を手掛け、昭和初期の邸宅建築の最高峰として知られている。

本展では、邸宅としての14年間、吉田茂元首相の政務の場としての7年間、国の迎賓館としての19年間、そして現在の美術館としての姿まで、建物の歴史を紐解く。各時代を彩るゆかりの作品や写真・映像資料を通じて、建物の記憶を辿る。

展示の目玉として、家具や調度品を用いた再現展示、3階ウインターガーデンの特別公開、窓のカーテンを開け放った夏の新緑を望める空間演出などが用意されている。さらに、新館では美術館として収集してきた現代作家の作品展示や、来館者が触れて体験できるコーナーも設けられる。

関連プログラムとして、港区立郷土歴史館（旧公衆衛生院）とのコラボレーション展示「交わる建築 旧公衆衛生院×旧朝香宮邸」や、建物の素材に触れる「さわ会」、障害者や赤ちゃん連れの方も気兼ねなく来館できる「フラットデー」なども開催予定だ。

観覧料は一般1,000円、大学生800円、高校生・65歳以上500円。中学生以下は無料となる。また、本展から都内に限らず中学生以下の観覧料が無料になるため、夏休みの家族でのお出かけにもおすすめだ。

アール・デコの美しさと歴史の重みを感じられる「時を紡ぐ館」展。夏の緑に包まれた庭園美術館で、建築と芸術の融合を体感してみてはいかがだろうか。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000780.000038211.html