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猪熊弦一郎の知られざる軌跡、「美の伝道師」の生涯を辿る特別展が開幕

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絵画(日本画・洋画)・美術展
報道発表
JR上野駅壁画《自由》修復記念式典時 駅長の帽子をかぶった猪熊弦一郎 1989年(プレスリリースより)

香川県丸亀市の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で、「猪熊弦一郎博覧会」が4月12日から7月6日まで開催される。20世紀を代表する画家・猪熊弦一郎の知られざる交流と協働の軌跡を辿る特別展だ。

猪熊弦一郎は、70年にわたる画業の中で、絵画における「美」の追求と新しい表現への挑戦を続けた画家として知られる。本展では、戦後の猪熊の活動に焦点を当て、絵画以外の多岐にわたる仕事を紹介する。

展示は5つの章で構成され、建築家との協働、デザインやパブリックアートの仕事、ニューヨーク滞在中の日米文化交流、故郷・香川県での文化的貢献、そして晩年の集大成となったMIMOCAの設立までを網羅する。

特筆すべきは、猪熊が手がけた三越百貨店の包装紙「華ひらく」やJR上野駅の壁画《自由》など、日常生活に溶け込んだ「美」の提供にも注目している点だ。これらの作品は、70年以上経った今でも親しまれ続けている。

また、猪熊のニューヨーク滞在時の活動も興味深い。約20年間の滞在中、彼は日米文化交流の重要な役割を担い、世界的な芸術家たちとの交流を深めた。その経験は、後の「アート県かがわ」の礎を築くことにもつながっていく。

展覧会に合わせて、建築ツアーやトークイベントなど、多彩な関連プログラムも用意されている。美術ファンはもちろん、建築や文化交流に興味がある方にもおすすめの展覧会となりそうだ。

「美の分かる人をもっと増やしていきたい。美の分かる人こそ平和を求める」という猪熊の言葉が、本展を通じて多くの人々の心に響くことだろう。美術館を「心の病院」と呼んだ猪熊の思いを感じながら、その多彩な軌跡を辿ってみてはいかがだろうか。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000142923.html