1998年生まれの9人が描く「今」 - LURF GALLERYで注目のグループ展「1998_oid」開催


東京・代官山のLURF GALLERY(ルーフギャラリー)2Fにて、1998年生まれの9名の若手アーティストによるグループ展「1998_oid」が2025年4月18日(金)から5月19日(月)まで開催される。本展は、同世代の作家たちが織りなす多様な表現と、彼らが共有する時代感覚を体感できる貴重な機会となりそうだ。
出展作家には、工藤時生、斎藤志公、齊藤隆嗣、澤田光琉、髙橋瑠璃、成島麻世、松田ハル、大和楓、渡邊涼太の9名が名を連ねる。彼らは1998年生まれという共通点を持ちながら、それぞれが独自の視点と技法で作品を生み出している。例えば、工藤時生は"人倫世界の終焉"をテーマに彫刻やドローイングで人体像を制作し、斎藤志公は陶芸の精神性を存在論やアーバニズムの観点から解体・再構築する試みを行っている。
また、齊藤隆嗣は架空のファウンドオブジェクトを用いたインスタレーションで異界を描き、澤田光琉は鉛筆デッサンの特性を活かしながら人間関係の機微を表現する。髙橋瑠璃は石彫で人間の個性的な行動や思考を捉え、成島麻世は普遍的な素材を用いて未知の物体を創造しようと挑戦している。
さらに、松田ハルはVRと版画技法を組み合わせた独自の表現を追求し、大和楓は日常の些細な身振りから社会秩序を読み解こうとする。渡邊涼太は筆の生々しさと破壊行為を融合させた画面で、現代社会の複雑さを映し出す。
本展のゲストキュレーターを務めるのは、同じく1999年生まれの川口遼大。彼は広義の信仰をテーマに、全ての作品や事物を「現代史的事物」として捉え直す独自の視点を持つ。
LURF GALLERYは、約70坪、天井高約4メートルの2階スペースを活かし、これら9名の作家たちの個性豊かな作品を存分に展示する。また、1階のカフェスペースでは、1930年代のデンマークヴィンテージ家具に囲まれながら、ハンドドリップコーヒーを楽しむこともできる。
1998年から現在に至る約四半世紀の時間は、多くの観客にとっても共有された経験だ。本展では、同世代の作家たちが感じ取った時代の空気や、彼らの独自の解釈を通して、私たちの「今」を多角的に捉え直す機会となるだろう。アートを通じて世代を超えた対話が生まれることも期待される。
なお、展示作品は販売も予定されている。詳細はLURF GALLERYのウェブサイトやSNSで随時発表されるとのことだ。新しい才能の発見と、現代アートの最前線を体感できる本展に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000099139.html