「お絵かき」を始めたい!絵の具の種類 水彩絵具、油彩絵具、アクリル絵具はどう違う?おすすめは? 初心者さん向けスタートガイド!


人生を通して楽しめる趣味として人気が高い「絵」。「小・中学時代以来絵を描いていないけど、チャレンジしてみたい」「感銘を受ける作品と出会い、自分も描いてみたくなった」という初心者さんは少なくないはず。
一方で、どんな画材や道具が必要なのかイマイチわからず二の足を踏んでしまうことも…。この記事ではそんな初心者さん向けに、絵の具の種類ごとの特徴や、用途に合った選び方、実際に絵を描くときに必要な道具についてご紹介します。描いてみたい!は絵を描くスタートライン。それではさっそく走り出しましょう!
基本的な絵の具の種類と特徴
「絵の具」と一口に言っても様々な種類があります。ここでは一般的によく使用されている絵の具である水彩、アクリル、油彩について解説します。それぞれどのような特徴があるのか見てみましょう。
水彩絵具
図画工作や美術の授業で使用した経験がある人も多く、馴染み深く気軽に楽しめる水彩絵具には「透明水彩」と「不透明水彩(ガッシュ)」の二種類があります。いずれも水で溶いて使用するものですが、特徴はそれぞれ異なっています。
「水彩」で一般的にイメージしやすい「透明水彩」は、軽やかな透明感が特徴。下の色が透過するため、塗り重ねてニュアンスを出すことができます。淡く柔らかな色調の表現が得意で、にじみやぼかしによるグラデーションで自然の景色や空気感を表現するのにぴったりです。
対して下地を覆い隠し、下の色が透過しないのが「不透明水彩(ガッシュ)」。顔料の量が多く不透明でマットな質感で、発色がはっきりとしておりフラットな色面が特徴です。透明水彩よりも乾きが早く、細かく加筆することも得意なので繊細なディティールを必要とする作品に向いています。透明水彩と違い、乾くと水を加えても再び使うことはできません。
アクリル絵具
水彩絵具と同様、水で溶いて描くタイプなので初心者にもおすすめの画材。水の量を調節することで水彩風に使用することも可能ですが、大きな違いは耐水性の有無。アクリル絵具は耐水性があり、重ね塗りをしても色同士が混ざらないため、油彩絵具のように重ねたり厚塗りやテクスチャーを作ることも得意!しかし一度乾くと修正が困難になるといった側面も。
さまざまな素材に描けるため、キャンバスだけでなく、木材や石、ガラスなどにも使えます。速乾性があるためスピード感を持って仕上げることが可能。
通常のアクリル絵具はツヤと透明性がありますが、水彩絵具と同様にマットな質感で不透明な絵具である「アクリルガッシュ」という種類のものもあります。
「アクリルガッシュ」は鮮やかでツヤがなくフラットな色面作りが得意なので、イラストや色彩構成などデザイン的な表現にもぴったりな画材です。
油彩絵具
水ではなく、油を使って溶かしながら描く絵の具です。仕上がりは重厚感があり艶やか。乾燥に時間がかかり、塗った厚さにもよりますが自然乾燥で10日程かかることも。ゆっくりとした乾燥のため、修正がしやすいとも言えます。
厚塗りや盛り上げの表現が可能で、絵に深みや立体感を持たせることができる点も魅力。削ったり凹凸を作るなど多彩な技法があり表現の自由度が高いところもポイントです。
自分に合った絵の具は?シチュエーション別 絵の具の選び方
ポピュラーな絵の具の種類がわかったところで、どれを選べば良いのか判断に迷う人もいるかもしれません。自分の好みや方向性を棚卸しして、自分にぴったりな絵の具を見つけてみましょう。
「公園や旅先でも絵を描きたい」「グラデーションや瑞々しい表現が好き」→ 水彩絵具
シンプルで、気軽に試すことができる水彩絵具は初心者さんにも◎。
また「持ち運びやすさ」という観点では、水彩絵具が一番手軽で便利です。旅行用の小さな水彩セットも市販されているので、旅先での水彩スケッチも叶います。
「モダンで多彩な表現をしたい」「スピード感を持ってどんどん描き進めたい」→ アクリル絵具
速乾性を活かしてサクサクとテンポよく描き進める方が性に合っている方や、ガラスなど様々な素材に絵を描きたい方はアクリル絵具が良いでしょう。透明感や色の重なりで繊細な表現をしたい、油絵風に盛り上げ技法にもチャレンジしてみたいなど、多彩な表現を試してみたい方にもぴったり。
現代的なデザイン・アートが好きな方、ポップアートやイラストレーション、目が覚めるような極彩色の浮世絵に憧れがある方には、マットで発色が良くくっきりとした色合いのアクリルガッシュがおすすめです。
「名画のような奥行きと深みのある表現に憧れている」「じっくり時間をかけて作品の制作に取り組みたい」→ 油彩絵具
乾くまで時間がかかる油彩絵具は、描きながら試行錯誤することができるため時間をかけて作品作りに向き合いたい方におすすめです。盛り上げで立体感を持たせた作品など、本格的な雰囲気を味わいたい人向け。ただし厚塗りなどをすると画材の消費も早いため、継続して費用がかかることも予め念頭に置いておくと良いでしょう。
また、油彩絵具に混ぜて使用する「画溶液」は匂いが強いため、同居家族がいる場合は家族の理解や作業場所の確保など環境整備も必要です。