公募/コンテスト/コンペ情報なら「Koubo」

江戸切子の70年、全編カラーの記念誌で振り返る!貴重な写真や職人の系譜も

タグ
アート・絵画・工芸
陶芸・工芸・クラフト
報道発表
江戸切子協同組合 創立70周年記念誌 表紙(プレスリリースより)

江戸切子協同組合が創立70周年を迎え、記念誌を刊行した。今回の記念誌は、初めて全編カラー化を実現し、江戸切子の歴史と魅力を余すところなく伝える内容となっている。

記念誌の目玉は、過去10年間の「江戸切子新作展」の全出品作品を網羅したコーナーだ。若手職人の登竜門として知られるこのコンテストの作品を一堂に集めることで、江戸切子の技術の進化と多様性を感じ取ることができる。

また、江戸切子の伝統工芸としての歩みや、職人の系譜図も掲載されている。連綿と続く技術の継承の様子が視覚的に示されており、読者は江戸切子の奥深さを実感できるだろう。

さらに、ガラス工芸史の専門家による寄稿「日本におけるカットガラスの歴史」も収録。近世からの年表とともに、切子の変遷を詳しく解説している。

特筆すべきは、明治初頭にお雇い外国人として来日したイギリス人技師、エマニュエル・ホープトマン氏の貴重な写真が掲載されていることだ。これは、組合理事が参画した日英文化交流事業がきっかけとなって実現したもので、江戸切子の国際的な側面も垣間見ることができる。

記念誌では、新型コロナウイルスの影響やインバウンド需要の変化、職人の作品表現の進化、インターネット活用など、最近10年間の変化にも触れている。2023年に実施された産地の動態調査結果も収録され、江戸切子産業の現状を知る貴重な資料となっている。

本誌はA4サイズで、作品のカット表現や繊細な色合いを鮮やかに表現するため、全編カラー印刷で構成されている。編集には伝統工芸や和文化発信に精通したデザイン会社が携わり、洗練されたデザインで江戸切子の魅力を引き立てている。

この記念誌は一般販売されないが、国立国会図書館や関係諸団体、東京都・埼玉県内の産地自治体図書館などに寄贈される予定だ。歴史・産業・ガラス工芸などに関わる教育・学術研究に有用な場合は、過去の記念誌も含めて寄贈を検討するとのことなので、興味のある方は江戸切子協同組合に問い合わせてみるのもよいだろう。

70年の歴史を凝縮した本記念誌は、江戸切子の魅力と技術を次世代に伝える貴重な資料となることは間違いない。伝統工芸に興味のある方はもちろん、日本の文化や歴史に関心のある方にもぜひ一読をおすすめしたい。

出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000123325.html