原宿に集結!陶芸家・小野哲平の400点のうつわが魅せる、現代社会への問いかけ


原宿の街に、陶芸界の異才が放つ400点もの作品が集結する。その主役は、高知の山あいで薪窯を操る陶芸家・小野哲平だ。CIBONEとStandByの2会場で開催される個展「energy 2025 Teppei Ono」は、現代社会に鋭い問いを投げかける注目の展覧会となりそうだ。
小野哲平の作品は、一見すると日常的なうつわの形をしている。しかし、その一つ一つには作家の魂が宿っているかのような強さと正直さがある。「自然と食器棚の前にいつもある、感覚的に手に取ってしまううつわでありたい」という小野の言葉には、現代の生活に寄り添いながらも、何か大切なものを思い出させる力がある。
今回の展示では、めし碗や皿、鉢、湯のみなど、日々の暮らしで使われる土のうつわが並ぶ。これらは単なる器ではなく、現代社会のひずみに対する小野の「怒り」から生まれた作品だという。その手触りは、見る者を包み込むような不思議な感覚を呼び起こすそうだ。
さらに注目すべきは、2025年5月に刊行予定の作品集『TEPPEI ONO: THE WORKS 小野哲平』の初お披露目だ。建築とデザインの専門出版社ADPから出版されるこの本には、小野自身が選んだ54点の作品が収録される。展示会では、この本に掲載される貴重な一点ものの作品も見ることができる。
小野哲平は1958年愛媛県生まれ。アジアを旅した経験を持ち、現在は高知の棚田が美しい山あいに住んでいる。その経歴が、作品に独特の深みと力強さを与えているのかもしれない。2010年には現代美術家・村上隆氏のギャラリーで個展を開催し、中国や台湾でも熱狂的な支持を集めている。
「energy 2025 Teppei Ono」展は、5月24日から6月8日までCIBONE(渋谷区神宮前)で、5月24日と25日にはStandBy(同区神宮前)でも開催される。都市の喧騒の中で、小野哲平の作品が問いかける「今を生きる誰しもに開かれた、懐かしくもあり最も欲しているもの」とは何なのか。その答えを探しに、原宿の街に足を運んでみてはいかがだろうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000664.000036230.html