「サラ川」「税の川柳」「うまい棒川柳」……入選のヒントは、「流行語」にあり!


※掲載している情報は過去のものの場合があります。今年度の開催状況は、主催者サイトを随時ご確認ください。
トレンド・時事問題を意識しながら作品を作ろう
ここまで流行語と川柳公募について紐解いてきましたが、実は役立つのは流行語だけではありません。より長いスパンで話題になっているトレンドや時事問題も作品作りのヒントになります。たとえばここ数年は大谷翔平選手の活躍が著しいですが、この流れは川柳公募にも見られています。
・第1回CO・OP共済「育児あるある川柳」:「産休が明けたらリアル二刀流」
・2024年「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」:「大谷の 二冠祝って あと二缶」
・2024年「ものづくり川柳」:「ビスならば 大谷さんより 打っている」
また、2020年からの数年は、かなり多くの公募で新型コロナウイルス関係の作品が受賞作に選ばれていました。
・「セリア de 川柳 2020」:「これだこれ マスクの中で 笑み溢れ」
・第35回「サラリーマン川柳コンクール「(現サラっと一句!わたしの川柳コンクール)」:「8時だよ!! 昔は集合 今閉店」
・第5回「オリックス 働くパパママ川柳」:「テレワーク 九九の呼吸が 漏れ聞こえ」
こういった風潮も、審査員の目に入るための工夫だと思うとうなづけます。ここで注意していただきたいポイントは、コロナの病気そのものを揶揄しているのではなく、生活様式や文化の変化に着目していることです。
今年の流行語大賞で年間大賞を受賞した「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」は、現在の社会問題である過労死との関連性も深い言葉であるため、使い方を間違えると不謹慎なイメージを与える可能性もあります。
今年甚大な被害を巻き起こした熊もこれと同じです。そのため、ただトレンドや時事問題を盛り込むだけでなく、第三者視点から見て不謹慎でないか・不快に感じる人がいないかを意識することが重要です。
このような一種の冷静さを大切にしながら、活躍しているスポーツ選手や文化人、時事問題、人気のある漫画やドラマ、話題になっている新技術など、ほかの作品と差別化できそうなテーマを積極的に取り入れてみてください!
流行語・トレンドのアンテナを張り巡らせよう
流行語やトレンドを作品に盛り込むことが大事だとわかりましたが、これはどの公募にも当てはまるわけではありません。公募によっては受賞の傾向が異なるため、これまでの受賞作品に目を通して、傾向を確認してから内容を決めていくと良いでしょう。
今回は例として、「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」1位・「税をテーマにした川柳コンクール」一般部門 主催団体賞・「うまい棒川柳」大賞における受賞傾向を見ていきます。直近5回分の最上位作品を、左から古い順にまとめました。
| サラっと一句!わたしの川柳コンクール | 会社へは 来るなと上司 行けと妻 | 8時だよ!! 昔は集合 今閉店 | また値上げ 節約生活 もう音上げ | 増えるのは 税と贅肉 減る贅沢 | AIの 使い方聞く AIに |
| 税をテーマにした川柳コンクール | 税納め 一番住みたくなる町に | 使途を知り 縮む税との ディスタンス | ばあちゃんの 介護で知った 税の意義 | ジェンダーに 負けない税の 多様性 | お年玉 税より早く 子に消える |
| うまい棒川柳 | 付き合いが 幼馴染を 超えてきた。 | 遠足に 引率6年 皆勤賞 | 小さな手 持てる本数 増えていく | 幼年へ 還る運賃 十二円 | 意味のない 会話を支える うまい棒 |
この表から見えるのは、上から「毎年のトレンド・時事問題に沿った作品が受賞している公募」「流行語やトレンドは反映しないが、時事問題は反映する公募」「流行語・トレンド・時事問題などはどれも基本的に反映しない公募」に区分できるということです。
特に「うまい棒川柳」は、うまい棒に特化した作品が評価されやすいため、あまり流行語などは盛り込まないほうがよさそうです。
こうして各公募の最新の傾向を確認しながら、今世間で話題になっている言葉やニュースをチェックする癖を付けると良いでしょう。
一口に川柳公募といっても、その中には多層的なグラデーションがあります。公募を1つひとつ分析しながら、戦略を練っていくのも川柳公募の面白さですよ!
今回紹介した内容を参考にして、気になる川柳公募の入賞を狙っていきましょう。