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【あなたの文章は正しく伝わってる?】誤読の原因は構成ミスと飛躍|ミスリードを防ぐ文章の整え方を学ぼう

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論理的に展開させミスリードをなくす

文と文の関係がわかると頭がすっきりして気持ちいい。しかし、わからないと読み手は混乱する。文章を論理的に展開させよう。

筋道は通っているか論理に飛躍はないか

論理的な文章とは筋道が通っている文章ということだが、通っているようで通っていないことも。

下記の右の例文は、両方ともおかしい。「人生は短い。だから」と順接でつなぎながら、「人生は短い」から予期される文章が来ない。「人生は短い。しかし」のほうは、逆接でつなぎながら、予期される文章が来ている。

短い文章だから、文脈が乱れていることは一目瞭然だが、段落と段落をつないだ場合で、かつ接続詞がなかったらどうだろう。案外、「人生は短い。暇つぶしをするには長すぎる」とうっかり書いてしまうこともありそうだ。

下記の左は、順接か逆接かという点ではどちらも問題はない。しかし、「夏は暑い」の中に「暑いと汗をかいて水分が失われる」が含まれていて、論理的には少し飛躍がある。そう言われないためには、「夏は暑く、水分が失われる。だから、水分補給が必要だ」としたほうがより正確だ。

この例文もそうだが、そこまで厳密でなくてもいい場合もある。わかりきったことは省略していい。ただし、飛躍しすぎると誤読を誘ったり、意味不明な文章になったりするので注意したい。

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印象が生まれる原理1 近接の原理

書いたこと同士は関連づけて読まれる

下図は50音順に書かれた縦書きの文章だが、近くにあるもののほうがより関係が強いように見え、横書きに見える。

スクリーンショット 2026-03-16 165915.png

文章の中に書いた一文と一文にも同じことが言え、たとえば、〈受験当日は今にも雨が降り出しそうな空模様だった。〉と書けば、やはり内容と関連づけて読まれる。「いやいや、ただの事実であって、心模様を象徴させたわけでもなんでもない」と言うのなら書かないほうがいい。読む人は近接の原理に従って、無意識にそう読んでしまうのだから。

意図はどうでも、書いてあればそう読む

あなたの文章を読んだ人が、全く違う感想や印象を持ってしまうケースを3つ挙げよう。

1つは、段落の文章量のバランスが悪い場合。下記1の左は「戦争で心身が鍛えられた」「復員後は事業で成功した」の分量が多く、これを強調しているように読まれると、何か戦争必要論のように思われかねない。

2つめは、「若い頃に贅沢してはいけない」という趣旨で書こうとしたが、その自覚が薄く、書いているうちに話がそれてしまったケース。「書いてしまった文章」のほうからは「粗食がいい」と言いたいことはわかるが、「贅沢をしてはいけない」ということまで読みとることは難しい。

3つめは、ミスリードというより、文脈自体が破たんしているケース。感想は論理的な展開があって初めて出てくるが、前後する文脈の関係がわからないので、「どういうこと?」となってしまう。

同じ紙の上に書いてあれば、読者はなんらかの関係があるのだろうと思って読む。読者本人が意図するしないに関わらず、ある印象をもってしまうこともある。作者はそこまで意識して書きたい。

※Misleadは間違った方向に読者を導くことだが、ここでは誤読(Misread)の意味で使っている。

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印象が生まれる原理2 クレショフ効果

関係があるように思わせる手も

おいしそうなスープがあり、そのあとに無表情な男の映像が出ると、食欲をそそられているように見える。遺体の映像のあとだと、悲しげな表情に見える。悩ましい女性の映像のあとだと、欲望を感じているように見える。これがクレショフ効果。

文章でも、同じ作品の中に書かれたことは関係づけられて読まれる。これを応用すれば、平和な日常の中に花が枯れていく描写を絡め、平和が壊れることを予感させるように印象を操作することもできる。ただし、この手法は短い文章でやると関係が見え見えになるので、ある程度、長い文章のほうが向く。

※本記事は2018年9月号に掲載した記事を再掲載したものです。