【押さえておきたい! エッセイ構成3パターン】之字・サンドイッチ・出来事だけ構成をわかりやすく解説します!


どんな順番で書くか構成を考えよう
何をどんな順番で書くかは自由だが、参考までにわかりやすく、オーソドックスな一例を示そう。
順番は自由でいい! 問いを作り、答える
ある出来事をエッセイにしようとしたとき、構成にルールはあるかと聞かれることがあるが、とくにはない。あったとしても、ないと思って書いていい。
たとえば、男女がもめたとして、「男がいて」「女がいて」「女が殴り」「男は倒れる」という順番で書いてもいいし、「女が殴り」「男が倒れる」と書いてから、「殴ったのはこの女で」「倒れたのはこの男」と書いてもいい。
順番はなんでもよく、この例で言えば書くことが4つあるから、その組み合わせは4×3×2で24通り。同じように、もしもセンテンスが12あれば、その組み合わせ(順列)は4億7900万通りを超える。ルール化はできないので、半ば感覚で書いていくしかない。
ただし、1つだけルールを言えば、「問いを作り、それに答える」のは必須だ。
だから、「男がいる」「女がいる」「大人もいる」「子どももいる」と書いても、これでは完結しない。同じ話題が並んでいるだけ。
「男がいる」と書けば、読み手はどうしたって、「そうですか。その人がどうかしたんですか」という疑問を抱いてしまう。
「男がいて」「女がいて」「女が殴り」「男は倒れる」は、問いと答えがあるので、一応完結する。
できれば、すぐに答えを書かず、推理小説のように謎を作ったり、発見があったり、サプライズがあったりするとかなり上級。
文章構成の悪いパターン
話題が横滑りしているだけ
話題がいくつかあり、接続詞を入れるなら「A」また「B」また「C」のように並んでいるだけ。話が横滑りしている。
関係ない話題がある
「男がいて」「女がいて」「花が咲いて」「女が殴り」「男が倒れる」というパターン。読み手は「なんで花が?」と思う。
結論に向かっていかない
「男がいて」「女がいて」「女は買い物に行き」「家に帰る」と結論に近づかないパターン。読み手は「で?」と思う。
説明の部分が長すぎる
話の説明、解説的な部分が長すぎるパターン。説明は必要だが、最低限でいい。結論的なことは書かなくてもいい。
構成の順番とその効果
どこからどう書き出してもいいが、順番によっては印象は変わってくる。
説明があって出来事がある構成
「男がいて」「女がいる」は状況説明。説明が先にあるのでわかりやすいが、長いとなかなか本題に入らない印象になることも。
出来事があって説明がある構成
出来事を先に書く。倒叙。いきなり出来事に入るので話に引き込みやすいが、説明を忘れ、読者を置いてきぼりにすることも。
出来事と説明がセットになった構成
通常、出来事と説明はセットになっている。一番オーソドックスなパターン。この場合、出来事と説明はどちらが先でもいい。
3つの文章構成法
之字構成
書き出しを読んで、どんな話かわかりすぎると、結論が見えて、「そうなると思ったけど、やっぱりそうなったか」となり、予定調和的になった印象をもたれがち。
「 之字戦法」とは、「之」の字に動くことで相手に行き先をわからせないというもので、日露戦争のときに日本海軍がとったもの。
書き出しがもたつくおそれがあるが、最初に結論的、総論的、象徴的なことを書けば、予告の効果もでる。
サンドイッチ構成
現在から入って、出来事があった過去に行き、最後にまた現在に戻ってきて終わる。小説にもよくあるし、映画にもよくある。
エッセイでも、この構成で書かれることがある。メリットとしては、過去と現在が対比になり、過去の単なる出来事に色が足される。
下記の場合も、がんで入院しているという現在を加えることで、子どもの頃の半ば懐かしい失敗談に重みが加わった気がする。
出来事だけで構成する
ある出来事を書いて、それで言いたいことを伝えられるなら、出来事だけでいい。もちろん、この出来事に関して、今どう思っているかという説明的なことを書いてもいいが、出来事を書くだけでも成立する。
下記の場合も、「子どもの頃、凍った池に落ちたことがあった」「暖冬でない昔は、東京でも池が凍ることがあった」「あのときは危なかった」ということが書きたいことであれば、これでOKだ。

自由に組み合わせて、一番いいものを選ぶ
文章はどこからどう始めてもいいと書いた。
上記の「出来事」の部分も、今は最初に〈凍った池に落ちたことがあった。〉と全体のアウトラインが示され、そのあと、「何がどうしてどうなった」と時系列で書かれている。
しかし、あくまでも一例。たとえば、〈昔は東京でも真冬になると、小さい池は凍った。〉から書き出してもいいし、〈いきなり腰まで沈んだ。〉から始めてもいい。また、〈同級生の彼が誰かを呼びにいく背中をぼんやりと眺めていた。〉という場面を作り直し、書き出しにしてもいい。
要は、自由に組み合わせて、いいものを選択する。段落ごとに要約文を紙片に書き、組み合わせを考えてもいいし、パソコンなら書きながら入れ替えればいい。
出来事の部分が完成したら、それで完成とするか、サンドイッチ構成や之字構成のように文章の入り口と出口をつけるか考える。
あるいは、通りすがりの人が思わず引き込まれてしまうようなインパクトのある導入部をつけてもいい。ただし、そこだけが浮いてしまわないように注意!
※本記事は2018年9月号に掲載した記事を再掲載したものです。