介護職の7割が不安を感じるケガ・事故リスク、設備導入で負担軽減


介護職の体力的負担が深刻、7割が身体的リスクに不安
介護の仕事は人の暮らしを支える大切な役割を担っている一方で、体力面や精神面での負担が少なくありません。株式会社NEXERと社会福祉法人晋栄福祉会が実施した調査では、介護職経験者30名のうち7割が悩みや大変さを経験していることが明らかになりました。
特に注目すべきは、腰痛や転倒事故、ケガなどの身体的な負担についてです。調査対象者の70.0%が身体的リスクについて不安を感じたことがあると回答しています。利用者さんの移乗や入浴介助など、身体に負荷のかかる場面は日常的に発生するため、この問題は介護職にとって切り離せない課題となっています。
悩みの内容は体力と精神面が二大課題、給与面での不満も顕著
悩んだことや大変だったことがあると回答した人に具体的な内容を聞いたところ、もっとも多かったのは「体力的な負担が大きかった」で71.4%でした。次いで「精神的なストレスが強かった」が57.1%、「給与・待遇への不満」が42.9%と続きます。その他「利用者さんや家族との対応」「人手不足による業務量の多さ」「シフトや勤務時間の不規則さ」がいずれも23.8%、「職場の人間関係」が14.3%、「キャリア・将来への不安」が9.5%という結果です。体力面と精神面の両方で負担を抱えている方が多く、そのうえ給与面での不満も上位に入っている状況がうかがえます。
身体的不安が退職・転職のきっかけに、約4割が離職検討
身体的な負担に対する不安が実際の働き方にどのような影響を与えているかを調べた結果、「退職や転職を考える大きな要因になった」と答えた人は38.1%に達しました。「仕事を続けるか迷う原因になった」は19.0%で、退職・転職を検討した層と仕事継続に迷った層を合わせると57.1%となります。一方で「注意しながら働くきっかけになった」という前向きなとらえ方をしている人も28.6%おり、不安を感じつつも自分なりに工夫して働き続けている実態も見られます。
リフトやノーリフティング介護で負担軽減、約半数が効果を実感
身体的な負担に対する取り組みとしては、介助方法や設備の改善が有効なことがわかりました。調査では47.6%が、リフトやノーリフティング介護などの設備や技術を活用することで身体的負担が軽減された経験を持っていると回答しています。具体的には「介護ロボットの使用」「スライディングボードの導入」「リフトで利用者さんを持ち上げるので腰が楽」といった設備面での工夫に加え、ボディメカニクスやベテラン職員からのノウハウ伝承といった技術的な側面も重要です。
職場環境の充実が介護職の定着と質向上の鍵
今回の調査から、介護職の身体的・精神的負担が深刻な課題であることが浮き彫りになりました。身体的な不安だけで約4割が退職や転職を検討している一方で、設備や技術の導入によって負担が軽減された実感を持つ人も半数近くいます。働く人の身体を守るための職場環境づくりと設備の充実は、人材確保につながるだけでなく、介護の質そのものを高めることにも直結するのではないでしょうか。
出典: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002354.000044800.html