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好きな本より「なぜ?」が生まれる本を選ぼう!Part1|受賞するための読書感想文5大メソッド

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読書感想文5大メソッド

「どんな本を選べばいいんだろう……」。

夏休みの宿題で、読書感想文の用紙を前にこんな風に困ったことはありませんか?

「好きな本を選べばいい」「感動した本がいい」「何回も読み返している本がいい」「読めればなんだってかまわない」……。周りはいろんなアドバイスをくれます。そんなアドバイスを受けながら、なんとなく一冊の本を選んで、なんとなく出す。毎年そうなっている人も多いと思います。

ただ、入賞を目指しているなら、それでは少しもったいないかもしれません。実は、勝負は書き始める前から始まっています。入賞できるかどうかは、「どの本を選ぶか」という最初の一手が肝心なのです。

2025年に開催された、第71回青少年読書感想文全国コンクール(応募数203万1,259編)の入賞作品集と、第66回から第70回までの入賞者一覧を実際に調べてみました。
すると、入賞作品として選ばれた感想文には本の選び方にはっきりした共通点があったのです。
順番に見ていきましょう。

課題図書vs自由図書 どっちを選んでもOK!

「課題図書と自由読書、どっちが入賞しやすいんだろう?」
一度は気になるところだと思います。しかし結論から言うと、どちらでも変わりません。

過去6年間で内閣総理大臣賞を受賞した30作品を、部門ごとの「課題図書か自由図書か」で数えてみました。

内閣総理大臣賞

部門課題図書自由図書
小学校低学年1回5回
小学校中学年2回4回
小学校高学年4回2回
中学校3回3回
高校5回1回
合計15回15回

文部科学大臣賞

部門課題図書自由図書
小学校低学年4回2回
小学校中学年2回4回
小学校高学年5回1回
中学校3回3回
高校1回5回
合計15回15回

どちらも、合計は15対15。きれいに半分ずつに分かれました。
ただ、部門ごとに見ると少し違うように見えてきます。
面白いのが高校の部。内閣総理大臣賞は6年のうち5回が課題図書なのに、文部科学大臣賞は6年中5回が自由図書。ちょうど正反対の結果になっています。

自分で好きな本を選んで、それについて書いたほうが入賞しやすそうなイメージがありましたが、データには表れていません。課題か自由かで悩むより、もっと大事なことがあります。
それは、「なぜ?」という疑問がわいてくる本かどうか、です。

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入賞には課題図書か自由図書かは関係がありません

小説じゃなくても大丈夫

感想文といえば、つい小説や物語を選びがちです。でも受賞作をジャンルで分けてみると、小説は6作だけでした。残りの8作はノンフィクション・人文書・エッセイ・科学書などです。
小説以外を選んでいる人のほうが、実は多かったのです。

たとえば、こんな本が上位の賞に入っています。

  • 『木のいのち木のこころ』(西岡常一)
  • 『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン)
  • 『「コーダ」の僕が見る世界:聞こえない親の元に生まれて』(五十嵐大)

どれも、読んだ人が「こんな世界があったのか!」と驚き、自分の当たり前を考え直すきっかけになる本です。「感動した」ではなく、「なぜ?」という疑問から感想文が始まっています。

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入賞作品の半分以上は小説以外の本を選んでいます

ロングセラー・ベストセラーは向いている?

毎年、たくさんの感想文が集まる本があります。『君の膵臓をたべたい(住野よる)』『ハリー・ポッター』シリーズ(J・K・ローリング)、『夢をかなえるゾウ』(水野敬也)……いわゆるロングセラー・ベストセラーやメディアミックスされた原作小説などです。

しかし、ここにはちょっとした落とし穴があります。
こうした本を選ぶと、審査員は同じ本の感想文を何百通と読むことになります。みんなが読んでいる本は、どうしても感想の切り口が似てきます。ていねいに書いても、たくさんの中に埋もれてしまいやすいのです。

しかも、同じ本がたくさん集まると、審査員は知らず知らず「比べ読み」をしてしまいます。「さっきの子はこう書いていたな」「この書き方は先ほどの作品と似ているな」というように。本来は一作品として読まれるべきなのに、同じ本同士で比べられてしまうのです。それがロングセラーの作品となると、過去の優秀な作品とも比較されてしまいます。

では、どんな本を選べばいいのでしょうか。条件は2つあります。
ひとつは、マイナーすぎないこと。
だれも知らない本だと、あらすじの説明だけで文字数を大きく使いきってしまいます。ベストセラーは比べられやすい一方で、あらすじを省けるというメリットもあります。そのちょうど中間狙いにいくのがおすすめです。

もうひとつは、テーマに切り込みやすいこと。
社会問題・歴史・人の生き死に・理不尽な現実……。よみながら「なぜ?」が次々にわいてくるテーマの本が、入賞作には多く見られます。

第71回では、本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈)の感想文が、いくつか入選していました。話題性と切り込みやすさ、その両方を満たした、ちょうどいい選書の例です。もちろん、入選できた理由は「話題作だったから」ではありません。