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好きな本より「なぜ?」が生まれる本を選ぼう!Part2|受賞するための読書感想文5大メソッド

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読書感想文5大メソッド

「なぜ?」が生まれる本を選ぶ3つのポイント

入賞作の選び方と中身を照らし合わせると、3つの条件が見えてきます。本屋さんや図書館で、これだけは確認してみてください。

ポイント1:ひっかかりがある本

本の選び方をひとことで言うと、自分が引っかかった本を選ぶことです。
引っかかりとは、読んでいる途中で手が止まる瞬間のこと。たとえば、こんなときです。

  • 「なぜこの人はこんな選択をしたんだろう」とふしぎに思った
  • 「自分ならそうしないのに」と反発した
  • 「こんな世界があるなんて知らなかった」と驚いた
  • 「この一文、なんか刺さるな」と立ち止まった
  • 「この結末は納得できない」とモヤモヤした

どれも、ただ感動したという感想とは少し違います。自分の中に疑問が生まれた瞬間です。その疑問に答えようとすること、それがそのまま感想文になります。

さっきの『成瀬は天下を取りにいく』を例に考えてみましょう。多くの読者は主人公成瀬を「マイペースな子」「変わった子」と受け取ります。でも、そこで終わると、「我が道を進む主人公にひかれました」という感想文になります。

入賞をめざすなら、「マイペースというひとことで片づけていいのかな?」という違和感からスタートします。「なぜマイペースで突き進めるのか」「なぜ空気を読まないのか」「ずば抜けた行動力はどこから来るのか」。こうした疑問を感想文全体の軸に据えるのです。
同じ本を読んでも、疑問を持って読んだ人と、ただ流し読みした人とでは、できあがる感想文がまったく違ってきます。

ポイント2:自分の体験と結びつく本

入賞作を読むと、自分の体験と結びついた部分が、大きな割合を占めていることに気づきます。感想文は、本の内容を紹介する文章ではありません。本と自分の体験をつなぐ文章なのです。もう少し具体的にみていきましょう。

第71回の中学校の部で内閣総理大臣賞を受賞した作品は、こんな書き出しで始まります。

修学旅行で法隆寺を訪れたとき、五重塔を見上げる自分の胸に、かつてとは違うざわめきが広がった。青空にすっと伸びるその姿は、ただの建築物ではなく、時を超えて生き続ける大樹のように思えた。風を受けながら堂々と立つその塔は、静かでありながら圧倒的な力を放っていた。木の肌に刻まれた千年の時が、「君は何を見ているのか」と問いかけてくるようだった。

(内閣総理大臣賞「『木のいのち木のこころ(天)』を読んで」)

このあと書き手は、以前にも法隆寺に訪れたことにふれ、本を読む前と読んだ後で、同じ場所がまるで違って見えた体験を語っています。「本を読んで変わった自分」が、具体的な場面とともに描かれているのです。

本を選ぶときは、「このテーマは、自分の〇〇という経験と似ているかも」という接点を、ひとつでも見つけられるか。それが感想文の深さを決めます。

『成瀬』で言えば、「空気を読まずに突き進む」という点を、自分の体験と結びつけられるかがカギとなります。
「成瀬みたいに生きたい」で終わる人と、「なぜ自分は空気に流されてしまうんだろう」と自分に引きつけて考えた人とでは、完成する感想文がまったく別のものになります。

ポイント3:もう1回読みたいと思える本

地味ですが、とても大切なポイントです。
感想文は、本を一度読んで終わりにはできません。引っかかった場所を確かめるために読み直し、書きながらもう一度開きます。少なくとも2~3回は読むことになります。
どんなに引っかかりがある本でも、2回目の読書ができないと、感想文の質は確実に落ちます。一度読み終えたあと、「またこの世界に戻りたいな」「あの場面をもう一度確認したいな」と思えるかどうか。最後の確認として、これをぜひチェックしてください。

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本選びが、感想文のスタート地点

読書感想文で最初につまづくのは、書き方ではなく本の選び方です。「何を書くか」は「どの本を選ぶか」で決まります。
そして「どの本を選ぶか」の基準は、読んでいて『なぜ?』がわいてくる本かどうか、それだけです。

好きな本をのんびり読むのは、夏休みの自分のごほうびにとっておきましょう。入賞を目指すなら、

①「引っかかりがある本」②「自分の体験と結びつく本」③「もう1回読みたいと思える本」

この3つを頭において、一冊を選び抜いてみてください。