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感想文は「引き算」を意識しよう!Part2|受賞するための読書感想文5大メソッド

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読書感想文5大メソッド

『銀河鉄道の夜』感想文|BEFORE⇒AFTER

同じ本の感想を同じ人が書く。違いは「足すか、削るか」だけ。それでも、読み終わったあとに残るものは、まるっきり変わります。実際に見てみましょう。

書き出しで言いたいことを明確に

ビフォー:ただ読んだことを書いているだけは×

私は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を読みました。

アフター:感想文で伝えたいことを頭に

「本当のさいわい」とは何か、という問いが、ずっと頭を離れない。

アフターのポイント

書き出しが自分への問いかけになっています。
これは「私は〜を読みました」というあいさつ文を捨てたからできたこと。前置きを消したぶん、この感想文で伝えたい、核心の問いから始められています。

あらすじはコンパクトに

ビフォー:あらすじに200文字も使っている

この本は、ジョバンニという少年が親友のカムパネルラと一緒に銀河鉄道に乗って宇宙を旅する物語です。ジョバンニは貧しい家庭に育ち、病気の父親のかわりに働きながら学校に通っています。クラスではいじめられることもあり、孤独な毎日を送っています。そんなある夜、丘の上でジョバンニは突然銀河鉄道に乗り込み、カムパネルラと二人で旅に出ます。列車の中ではさまざまな人と出会い、美しい星や川を眺めながら、「本当のさいわい」とは何かについて語り合います。しかし旅の終わりに、ジョバンニは現実の世界に戻され、カムパネルラが川でおぼれた友人を助けようとして亡くなっていたことを知ります。

アフター:自分の感想文に必要なところだけ!

川でおぼれた子を助けようとして、命を落としていたのだ。

アフターのポイント

あらすじを全部説明するのをやめて、自分の話に必要な点に絞っています。そのため、この後自分が伝えたいことに重きを置くことができます。

感情を具体的に説明

ビフォー:何に感動しているか伝わらない……

この本を読んで、私はとても感動しました。(…中略…)読んでいる間中、その世界に引き込まれているような感覚で、心が動きました。

アフター:自分の思いを具体的な行動に落とし込む

私なら「助けなきゃ」と思いながら、岸で立ちすくんでしまうかもしれない。

アフターのポイント

「感動しました」「心が動きました」という感情の報告を、ぜんぶ捨てています。代わりに、自分が立ちすくんでしまう場面を具体的に書く。「感動しました」と言わずに、場面で感じさせています。

締めくくりは簡潔に

ビフォー:今後の抱負がたくさんある

私はこの本を読んで、友達を大切にしなければならないと強く思いました。カムパネルラのように、困っている人がいたときにすぐ行動できる人間になりたいです。日ごろから周りの人のことをよく見て、困っていたら声をかけたり、助けが必要なときには手を差し伸べたりできるようにしていきたいと思います。この本は私に、自分のことだけを考えて生きるのではなく、誰かのために動くことの大切さを教えてくれました。これからの生活の中で、この本から学んだことを忘れずに行動していきたいと思います。

アフター:自分のテーマに関する答えだけを書く

私もたぶん、しばらくこの問いを持ち歩くことになる。川の前で、私の体は動くだろうか。まだ答えは出ていない。

アフターのポイント

「これからは〜したい」という同じことの繰り返しをせず、簡潔にまとめています。

テーマを一つに絞る

ビフォー:感動・あらすじ・文体についてごちゃごちゃ書いている

この本を読んで、私はとても感動しました。カムパネルラが友達のために自分の命を顧みず川に飛び込んだことは、本当に勇気のある行動だと思いました。自分のことより他の人のことを先に考えられるカムパネルラは、すごい人だと思います。また、宮沢賢治の文章はとても美しく、銀河や星の描写がまるで本当に宇宙にいるような気持ちにさせてくれました。読んでいる間中、その世界に引き込まれているような感覚で、心が動きました。

アフター:何を書くかをはっきりさせている

カムパネルラにとっての「本当のさいわい」は、考える前に体が動くことの中にあったのかもしれない。

アフターのポイント

ビフォーは友情・勇気・文章の美しさ……と、テーマが次々に変わってしまう。
アフターは書き出しにもある「本当のさいわいとは何か」という1つの問いだけで、最初から最後まで貫かれています。

自分だけの視点を入れる

ビフォー:みんなが思うような意見

カムパネルラが友達のために自分の命を顧みず川に飛び込んだことは、本当に勇気のある行動だと思いました。

アフター:自分にしかない視点を持った意見

私が引っかかったのは、カムパネルラが「助けに飛び込んだ」という事実よりも、誰にも相談せず、迷わず飛び込んだ、という点だ。

アフターのポイント

みんなが「勇気」でまとめてしまう場面を、「誰にも相談せず、迷わず飛び込んだ」の一点に絞りました。
勇気・友情・文章の美しさ…と書けたはずのことを全部捨てて、その一点だけを見つめたから生まれた視点です。新しいネタを足したのではなく、まわりを削ってここにだけフォーカスした、というのがポイントです。

項目ビフォー(削る前)アフター(削ったあと)
あらすじ約200字。第1段落のほぼ全部1段落だけ。話に必要な分のみ
感情語「感動」「心が動いた」を連発ゼロ。場面と考えで見せる
終わりの目標「〜したい」を3回くり返す問いで終わる1文だけ
テーマ友情・勇気・感謝がごちゃ混ぜ「迷わず動けるか、自分でもわからない」の一点
自分だけの視点ほとんどない「迷わず飛び込んだ」点への注目

削って削って、一つのことを考える

アフターはビフォーよりすこし短くなっていますが、言いたいのは「短くまとめよう」ではありません。
削って空いた場所を、たった一つの問いを考えることに使えた——それが、この2つの間で起きたことです。

広く浅く書けば、たくさんのことに触れられます。でも、何も残らない。一点を深く掘ると、読んだ人の心に残るものが出てきます。審査員の記憶に残って、入賞をたぐり寄せるのは、後者のほうなんです。

大事なのは「読み終わって、何が残るか」

審査員は1日に何十枚もの感想文を読みます。読み終えたあとに、頭に何が残っているか——入賞を分けるのは、結局ここ。字数でも、ていねいさでもありません。

この目で見比べると、ビフォーに残るのは「まじめないい子が書いたんだな」くらいの、ぼんやりした印象。いっぽうアフターに残るのは、「川の前で、自分は動けるのかな」と問い続ける一人の人物の姿です。

感想文引き算チェックリスト

書き終えたら、出す前に、この問いを自分の感想文にあててみてください。

  1. 「この感想文、ひと言で言うと?」に答えられる?
  2. あらすじは1〜2文におさまってる?
  3. 「感動しました」「心が動きました」「印象的でした」を、別の言葉に言いかえられる?
  4. 「自分だけが気づいた場面・言葉」が、1つ以上ある?
  5. 終わりの文を1つ消しても、意味は通じる?

1つでも「ノー」があれば、そこに削れる余地が残っています。

何を書かないかを考える

「何を書くか」より先に、「何を書かないか」を決める。これが、感想文のスタートラインです。
書き足すのは、だれにでもできます。でも、削るのは勇気がいる。それでも削ったあとに残った言葉のほうがずっと強いし、印象に残ります。