小豆島から世界へ発信! YOKAI文化「第6回妖怪造形大賞」
香川県の「小豆島 迷路のまち 妖怪プロジェクト実行委員会」が主催する妖怪アート作品のコンテスト。立体造形作品であれば表現技法は自由です。応募期間は2022年12月15日から2023年1月14日まで。最優秀作品賞には賞金30万円が贈られるほか、小学生までを対象にした童の夢賞なども設けられています。
霊性の島に宿る妖怪
八十八か所の霊場をめぐるお遍路の信仰がいまも残る、小豆島。この不思議な気配ただよう霊性の島の西に位置する土庄町は、国内でも数少ない迷路のまちとして知られています。約700年前、海賊や海風から島民を守るためにつくられた不規則な細い路地。そんな異空間を楽しめるまちで、さらにディープな世界を堪能できるのが、「妖怪美術館」です。
元呉服屋の蔵や倉庫など、まちの中に点在する4つの古民家を活かした体験型ミュージアム。4館には、妖怪造形大賞に応募された全作品、累計828点が展示・保管されていて、スマホガイドアプリでガイドを聞きながらめぐることができます。充実のミュージアムショップや、お札付きカクテルが楽しめる妖怪Barもあり、一日いても飽きません。
館⻑は⼩⾖島⽣まれの妖怪画家・柳⽣忠平氏。「妖怪(=Yokai)」を「もったいない」「おもてなし」と同じような世界語にしたい、「妖怪を世界へ」との思いで始められ、今では島の観光スポットとして人気を集めています。
国内外から妖怪大集結
2013年にスタートした「妖怪造形大賞」には、毎回国内外から作品が集まります。年齢も幅広く、3歳から83歳。そのほとんどがオリジナルで、自由な発想から生まれたユニークな妖怪たちばかりです。
これまでの応募作品には、世相を反映した、現代だからこそ生まれる妖怪作品が多くみられました。2018年から2021年は、別のイベントやコロナの影響もあり開催はされなかったため、今回は4年ぶり6回目の公募です。心待ちにしていた常連さんも多いのではないでしょうか。
妖怪=YOKAIを世界語に
「世界一妖怪が集まる島」、「『YOKAI』の世界語」をめざす本賞。入賞のポイントについて、担当の方に伺いました。「卓越した造形力もポイントになりますが、それだけでは入賞にはならない可能性があります。大切なのはその妖怪がなぜこの時代に生まれたのか?や、その物語性。審査委員の先生それぞれの独自の想いや理解も加味されるので、意外性のある作品が選出されることもあります」とのこと。
第5回までの審査委員には、北原照久氏(横浜ブリキのおもちゃ博物館館長)、美内すずえ氏(漫画家)、宮脇修一氏(株式会社海洋堂取締役専務)、米田武志(造形師)、柳生忠平(妖怪画家・妖怪美術館館長)など、各界の著名人が名を連ねました。
あらゆるものに神が宿るという、日本人独自の精神性(アニミズム)が育んできた文化でもある、妖怪。違いを認め共生する社会、自分とは異なるものへの想像力、自然を大切にする気持ちなど、人間が忘れてはいけない大切なことがたくさん込められています。YOKAI文化は、この世界を変えるチカラになるかもしれません。あなたの心に芽生えるYOKAIを自由に表現して、世界に発信してください。
さんたろう
フリーランスの図書館司書&ライター。旅が好き。地方発の公募情報は、旅ゴコロをくすぐる。
出典:http://www.meiro-youkai.com/
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