生活を詩に「第6回永瀬清子現代詩賞」
NPO法人永瀬清子生家保存会では、日本語で書かれた現代詩を募集します。応募資格は17歳以上、出品料は1,000円です。応募期間は2022年2月17日〜5月17日です。永瀬清子現代詩賞受賞者には3万円が贈られるほか、受賞作と一次選考通過作は作品集に掲載されます。
生涯の「詩人」であり、世間の「人」
永瀬清子(1906年〜1995年)は岡山県生まれ。親の転勤、夫の転勤や出征などで住まいを移しながら、農業をし、2男2女を育て、多くの詩をつくりました。
男性の仕事に付き添っての転居、出産・育児など、女性であるがゆえに人生が翻弄される姿は現代にも通じます。さまざまな状況に適応しながら、詩を書きつづけた生涯でした。「清子の詩からは、誰もが尊重され何者にも束縛されず、自分の人生を全うできる世の中であってほしいと願う気持ちがあふれています」と、主催者は語ります。
この美しい夕ぐれも樹々の網目のシルエット
(略)
ありとも見えぬ不如意さも
誰も気づいてくれはしない
ただ私だけが知るばかり
(略)
私の消える日みな消える
だのに甲斐なく詩を書いて
だのに甲斐なく詩を書いて
(永瀬清子「私がいなければ何もない」 詩集『あけがたにくる人よ』より抜粋)
永瀬清子は「現代詩人の母」とも評されています。
詩の可能性を模索して
決して派手ではない、生活に根付く目線から現代詩に大きな功績を残した永瀬清子。
岡山県赤磐市にある生家を保存し、清子の詩の持つ力を発信しようという試みが永瀬清子生家保存会によって続けられています。生家は毎月17日と第3日曜日に見学可能(その他の日は要予約)だそうです。お近くの方は、ぜひ訪れてはいかがでしょうか。
永瀬清子現代詩賞も、その活動の一貫として開催されます。作品は原稿用紙2枚以内。決して長くはないその文字数に、あなたなら生活の何を込めるでしょうか? 喜びや、苦しみ、ふとした気づき、不安、希望、すべてがテーマになります。初めて詩に挑戦する方にもオススメの公募です。過去の入選作品も取り寄せ購入可能なので、気になる方は主催者のWEBをチェックしましょう!
凄まじい経歴だったり、カリスマだったりするわけではない、「普通の人」だからこそ、多くの人の心に届く言葉が紡げるかもしれない……。現代詩の可能性は無限大です!
芦田みどり
公募情報ライター。最近は各地を盛り上げるご当地公募から目が離せない。好物はネギトロ公募ガイド公式Instagramでも執筆中。
出典:https://www.nagasekiyoko-hozonkai.jp/
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