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「てへっ」でいい

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作文・エッセイ
公募ママ

公募歴5年、入選回数は200以上。驚異の入選確率を誇る塩田友美子さんには、どんな秘密があるのだろう。読めば自分も入選できる!?

実は私は自他ともに認める運動音痴。

縄跳びの二重飛びや、早く走る方法を子どもに聞かれても教えられないのです。

もちろん、子どもと公園に行っても逆上がりの見本ができない。

しかし、そんな時!

今ならインターネットで調べると、動画やわかりやすい解説まであります。

信頼性のある情報を選びさえすれば、いつでも素早く調べることができるので、教育面でも大いに役立ちますよね。

その経験から生まれた作品が、第5回かなざわスポーツ川柳で銀賞をいただきました。

「健康、スポーツ」をテーマに、金沢市スポーツ事業団が主催しているコンテストです。

入選作がこちら。

「親よりも動画で学ぶ逆上がり」

昨年から我が子も学校からタブレットが配られ、自分で調べられる環境が整いました。

急激に学習方法が変化し、子どもたちはこれまでと全く違う体験をしています。

審査員の方からは、このような時代を捉えた点も評価していただけました。

今回の作品は自分の運動の「できなさ」から生まれたものです。

本来ならできないことや失敗があると、落ち込んだり悩んだりしますよね。

しかし、それを少し和らげる言葉があります。

それは仕事でひどく気落ちしていた私に同期がくれた一言です。

「十分落ち込んだんだから、もう『てへっ』でいいじゃん」

この「てへっ」の言葉の威力は大きい。

努力や真面目さが足りないと悩んでいた私は、反対に「軽さ」が必要だと励ましてもらったことで、乗り越えられたのです。

この「てへっ」は作品づくりにも大切な要素だと感じます。

以前、私が入選した作品で

「ネクタイを結べず初日クールビズ」や、

「お上りの仲間を探す上野駅」

というものがあります。

格好良くないことも表現によっては、むしろ「それも自分のいいところかも?」と楽観的になれるのです。

何事も視点を変え、楽しく暮らしていく。

また、これを意識すると、驚くほど多くの方がこのような「てへ作品」をつくっていることに気づきます。

そんな作品に出合うと、なにか壁にぶち当たった時には、こんな風に笑い飛ばせばいいのか!と爽快な気分になり、元気をもらえます。

昔から、このように川柳にしたりして、人は気持ちの整理をしてきたのではないでしょうか。

そう考えると、やはり私の生活にも公募は必要だなあと、改めて感じたコンテストでした。