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つまらない話

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作文・エッセイ
公募ママ

公募歴5年、入選回数は200以上。驚異の入選確率を誇る塩田友美子さんには、どんな秘密があるのだろう。読めば自分も入選できる!?

自分の書いた文章を読み返して「つまんないなー!」と思ったことはありませんか。

私はよくあるのですが、つまらない原因を考えていたらふと、思い出したことがあります。

学生時代、仲の良い友人たちと暇を持て余していたある日、一人が突然

「誰か、つまんない話して」

というお題を出してきたのです。

面白い話よりよっぽどハードルが高い!と感じたのですが、3秒後には「じゃあ私が」と勇気ある一人が手を挙げました。

すぐに彼女は真顔で、自分のアルバイト先のごみを捨てる時間や捨て方、捨て場所について事細やかに話し始めたのです。

時間にして10分ほど、我々は何も言わずにただ相槌を打ち続けました。

そして、話が終わった時にはみんな立ち上がり「本当につまらなかった!」と拍手が起こるという珍事となったのです。

かえってインパクトがあり内容を覚えているので、なぜつまらなく感じたのかを、今更ながら考えてみました。

①誰にも関係がない話

そもそもテーマ自体に、誰も興味がない。

②余計な説明が多い

行きの道順やエレベーターのボタンを押す詳細に至るまで、すでに聞いてわかっているのに、帰りの分も全工程説明される。

③感情表現ゼロ

「このごみが重くて」などの個人の感想や、誰かの言葉がひとつもない。

④紆余曲折がない

ストーリー性を期待する聞き手に逆らい、単なる解説で終わっている。

などが挙げられると思います。

この話のすごいところは、彼女が「つまらない話とはなんたるか」を知っていたという点です。

みんながつまらないと思うツボをしっかりとついてきた。

そんな分析をしつつ、当時あのつまらない話をみんなで楽しんだ時間は、贅沢なものだったと、気づいたりもしました。

あの時、彼女に「面白い話して」と言ったらどんな話をしてくれたのだろう。

今度聞いてみようかな。

我々が日々書きたいと願っている「面白い話」にも何か特徴があるものなのでしょうか。

まずは「つまらない話」というお題で文章を書いてみるのも、面白い話を書くカギとなるのかもしれません。

ちなみに今月発売の公募ガイド10月号は「書きたいのに書けない」という特集で、悩みの解決につながるヒントが多くありました。

私も書けないことについて、インタビュー記事にしていただけましたので、よかったらご覧ください。