いま知りたい!宇部の野外彫刻展
大人気公開中『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の監督・庵野秀明氏の出身地としても注目を集めている山口県宇部市は、「アートのまち」としても有名。同市で開催されている野外彫刻展「UBEビエンナーレ」はなんと今年で60年周年を迎えました。近年では「瀬戸内芸術祭」や「あいちトリエンナーレ」など、地域密着型のアートイベントは一層人気となっていますが、「UBEビエンナーレ」はそのさきがけです!
2020年度は新型コロナウィルスの影響により作品公募を中止していましたが、今年から再開が決定。そこで今回は、世界でもっとも歴史ある彫刻展「UBEビエンナーレ」の魅力をたっぷりお伝えします!
豊かな自然と、見て触れて撮れる彫刻。
「UBEビエンナーレ」は彫刻作品の募集と、入賞作品の展示を隔年で行っています。応募は世界中から寄せられ、国内のみならず世界の中でも歴史と人気のある彫刻展です。展示会場となるのは、広大な常盤湖を望む、みどり豊かなときわ公園。
普段は彫刻に興味のない方でもお散歩しながらアートを体感でき、写真も自由に撮ることができます。また、季節や時刻とともにうつろう彫刻の美しさは野外展示ならではの楽しみ方。
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会期中は公園の外でもさまざまなアートフェスタが同時開催され、街じゅうがアートで彩られます! また、ときわ公園には常時100点以上の現代彫刻が展示されており、入場料無料でどなたでも見て、触れて、楽しむことが可能。遊園地や植物園も併設されている人気のお出かけスポットです。
前回入賞作品
前回開催時は世界42か国から318点の応募があり、入選した15点は公園内の「彫刻の丘」に展示されました。ここでは仲田守さんとジョン・デイブ・シエロさんの作品をご紹介します。
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「ク・ラ・ゲ・だぞー」仲田守
現代人の「もっと伸び伸びと生きたい」という願望を、広い海をゆらめくクラゲに託した作品だそう。選考委員の彫刻家・澄川喜一さんは、「公園の水や水辺を参考にしたような印象をうける」と評価しました。
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「DO NOT POP !」ジョン・デイブ・シエロ
「DO NOT POP !(弾けるな!)」と題されたこちらの作品は消えないシャボン玉を望む幼少期の感情の実現を表現。夜になると、下からライトが当てられて一層の儚さを感じさせます。
そのほかの作品も、公園の自然との調和を重んじ、周囲との対話をくみ取ったものが多く入賞しています。宇部の豊かな自然を舞台とするからこそ生まれるアート作品は、見る者をもその舞台に取り込み、想像力を刺激します。
ビエンナーレ期間だけでなく、いつでもアートが楽しめる
今でこそ世界からも高い認知度を得ている「UBEビエンナーレ」ですが、開催のきっかけとなったのは市民の小さな願いでした。当時、石炭の街として栄えるとともに公害に悩まされていた宇部市民は、木や花を植える活動をはじめます。その際、資金の一部で購入したのが彫刻作品。彫刻は多くの市民の心を癒しました。これがきっかけとなり野外彫刻展「第1回宇部市野外彫刻展」が開催されたのです。
そんな歴史をもつ宇部市は多くの彫刻作品が街中を彩っており、「ときわミュージアム」などのアート施設も充実しています。「UBEビエンナーレ」期間だけでなく1年中アートが楽しめる街です。
29回目となる今回、私たち公募ガイドも、メインビジュアルとキャッチコピーの制作で協力させていただいています。
アートに触れる「UBEビエンナーレ」。ぜひ続報をお待ちください!
https://ubebiennale.com/artgallery
UBEビエンナーレライブラリー
https://ubebiennale.com/library
UBEビエンナーレ彫刻の丘