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「小説の取扱説明書」~その46 書き手が汗をかかないと面白くならない~

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作文・エッセイ
小説の取説

 

公募ガイドのキャラクター・ヨルモが小説の書き方やコツをアドバイスします。ショートショートから長編小説まで、小説の執筆に必要な情報が満載の連載企画です。

第46回のテーマは、「書き手が汗をかかないと面白くならない」です。

読者にとって面白いところは、書くのが大変なところ

汗をかくというのは、考えたり調べたりして、手を尽くすということ。

たとえば、主人公の前で事件があったとしましょう。運悪く主人公は事件に巻き込まれてしまい、それだけでなく、犯人にされてしまう。危機です。

読み手としては、さあ、この窮地をどのように抜け出すか、お手並み拝見という感じで期待しますね。

ところが、読み手にとって話が面白くなるポイントほど、書き手にとっては苦労するポイントになります。

次々と問題が起これば、どうなるんだろうと読み手はわくわくしますが、書き手はそれをすべて明快に解決しなければいけませんし、そのためには伏線もあちこちに張らなければなりません。数学の問題を何問も同時に解いているような状態です。

書くことから逃げないこと

このとき、一番やってはいけないのが、「こうしたら楽だな」と作者が怠けることです。別の言い方をすると、書くことから早く逃れたいと急ぐことです。

複雑な問題が都合よく解決する。都合のいい人物が現れて、都合よく助けてくれる。読み手としては期待はずれです。

いや、都合がいいだけならまだしも、アマチュアの習作には事件すら起きない作品もあり、起きても遠巻きに見ているだけで関わらない作品もあります。そんな小説が面白くなるはずもなく、読み手には不満が募ります。事件が起きたんだよ、関われよと。

こういう事態になったら、慌てず急がず、小説はそう簡単には終わらないと腹をくくるしかありません。

時間はかかっても、主人公とともになんとかして窮地を乗り切るために知恵を絞ろう、アイデアが出るまでとことんやろう、読み手が納得する結末を考えよう、と腰を据えて取り掛かること。間違っても、早く終わらそうと焦らないこと。

アイデアに詰まったときは、まるで出口のないトンネルを行くが如しですが、壁を破ったとき、得も言われぬ快感が待っています。山はちょっとはきつい坂がないと、張り合いがない。この達成感があるから、みんな苦労して小説を書くのかもしれません。

(ヨルモ)

 

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ヨルモって何者?

公募ガイドのキャラクターの黒ヤギくん。公募に応募していることを内緒にしている隠れ公募ファン。幼馴染に白ヤギのヒルモくんがいます。「小説の取扱書」を執筆しているのは、ヨルモのお父さんの先代ヨルモ。