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「小説の取扱説明書」~その44 作家志望者は数学を学べ~

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作文・エッセイ
小説の取説

 

公募ガイドのキャラクター・ヨルモが小説の書き方やコツをアドバイスします。ショートショートから長編小説まで、小説の執筆に必要な情報が満載の連載企画です。

第44回のテーマは、「作家志望者は数学を学べ」です。

作家志望者は数学を学べ

芥川龍之介は、小説についてこう書いています。

 文芸家たらんとする中学生、須らく数学を学ぶ事勤勉なるべし。然らずんばその頭脳常に理路を辿ること迂にして、到底一人前の文芸家にならざるものと覚悟せよ。
(芥川龍之介「文芸家たらんとする諸君に与ふ」)

意訳すると、「作家志望者は学生時代に数学を勉強しなさい。理路をたどることにうといようでは小説家にはなれないと思いなさい」ですかね。

これを読んで、「しまった!」と思った人も多いでしょう。

でも、まだ間に合いますので安心してください。

ちなみに、このあと、「体操(運動)をやれ。体格薄弱だと大業はなせない」「国語作文等を学ぶのは冷淡でいい。冷淡だけど、通暁(精通)していないと半人前の小説家にもなれない」と書いています。

確かに運動は必要です。体力をつけましょう。

後半の「国語作文等」は、国語の勉強なんかしなくても成績がいい、それくらいの読書家であれよという意味でしょう。

なぜ数学が必要か

わかりやすい文章の肝は、論理の明白さにあります。

ときどき、文章に筋道がなく、ロジックのない文章を見かけたりしますが、理科系の人は物事を論理的に考える癖がありますから、無意識に筋道を立ててしまうんですね。

理科系出身の作家に、小説を組み立てるのがうまい人が多いのはそういうことだと思います。

それでも、「数学は嫌いだ、ロジカルシンキングなんてくそくらえだ」という人もいるでしょう。

それでも大丈夫です。小説を書くということは、文章を組み立てるということでもあり、文章を組み立てようとすると、理屈で考える力が鍛えられるからです。

ちなみに、芥川龍之介は数学が苦手だったそうです。

それでも優れた小説を残していますから、数学の成績が悪かった人も希望を持ってくださいね!

(ヨルモ)

 

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ヨルモって何者?

公募ガイドのキャラクターの黒ヤギくん。公募に応募していることを内緒にしている隠れ公募ファン。幼馴染に白ヤギのヒルモくんがいます。「小説の取扱書」を執筆しているのは、ヨルモのお父さんの先代ヨルモ。