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若桜木虔先生の指導でデビューした方々の声(高田在子)

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作文・エッセイ

作家デビューに至るまで

 

私が若桜木先生のメール添削を受けていたのは、2007年から2013年までの約6年間でした。

それまでは、一般社団法人の日本児童文芸家協会に所属しながら、主に高学年向けの短編小説を書いていました。

ですが、出産や実家の介護手伝いなどに追われる中で勉強会に出席するのが難しくなり、それを機に、もともと書きたかった一般向け小説に一人で取り組もうと決めたのでした。

子供が寝ている間などにコツコツと書き続け、夫にアドバイスをもらいながら、まずは独学で文学賞への応募をしていました。

第2回カドカワエンタテインメントNext賞の最終会議に残っていると編集部の方に教えていただいたのを始めとして、第9回坊っちゃん文学賞最終候補、第2回日本ラブストーリー大賞最終候補、第10回坊っちゃん文学賞最終候補に残りましたが、受賞には至りませんでした。

やはり独学での受賞は難しいのかと思い悩んでいたところに、夫が若桜木先生のメール添削を勧めてくれました。メール添削であれば、育児や介護手伝いをしながら続けられると思い、飛びつきました。

最初は若桜木先生にSFの文学賞応募を勧められ、初めてSFというジャンルにも挑んでみたのですが、やはり受賞ならず。

その後、若桜木先生に時代小説を勧められて、初めて書いた時代小説が、第2回朝日時代小説大賞候補になりました。その後はずっと時代小説の執筆を続け、第4回ゴールデン・エレファント賞最終候補、第6回日経小説大賞最終候補となりましたが、やはり受賞はできませんでした。

若桜木先生に「高田さんは持ち込みのほうがデビューが早いかもしれない」と言われ、フリーの編集者を紹介していただきました。

その方のおかげで、2015年に白泉社招き猫文庫から『忍桜の武士 開花請負人』で念願のプロデビューを果たしました。

また、2016年にコスミック時代文庫より『将軍家御鏡役 鷹の剣』を出版、2018年にKADOKAWAより現在執筆中の『はなの味ごよみ』シリーズをスタートさせることができました。

2019年にフリー編集者のもとを巣立ち、現在は出版社の担当編集者と直接やり取りをしながら、書き続けています。

作家として独り立ちするまでには、多くの方々のお力をお借りしました。

今も多くの方々に育てていただいている身でありますが、投稿生活からデビューに至るまでの道筋ができたのは、若桜木先生のおかげです。

私が第2回朝日時代小説大賞の最終選考に落ちたあと、若桜木先生はこう言ってくださいました。

「何でも言ってください。何でも力になりますから」と。

そのお言葉のおかげで、どんなにご無沙汰していても、何かあったら相談に乗っていただける場所があるのだと、心強い気持ちになれました。

また、教室の新年会などで作家仲間たちと語り合えるのも、若桜木先生のおかげです。

本当に感謝しております。

最後に、ひとつ。

若桜木先生からのメールには無駄な言葉がありません。

数年前まで毎年のように参加していた新年会でも、同じくメール添削で「あまりコメントいただけないんだけど、先生は何か怒っていらっしゃるのかな。どうしよう」と不安がられている方に何人かお会いしました。

お気持ちは、わかります(笑)。

私のメール添削でも、ほとんどが「微修正。先に進んでください」のみで、心配になった私は新年会でお会いした若桜木先生に突撃して「先生、私、本当に大丈夫ですか!?」と聞いたことがあったのでした(その時、先生は優しい笑顔で「大丈夫ですよ」とおっしゃってくださいました)。

何か心配になった時は、遠慮なさらず、どんどん若桜木先生に質問してみてください。

きっと親身になって、的確なアドバイスをしてくださるはずですよ。

高田在子

神奈川県出身。2015年、『忍桜の武士 開花請負人』(白泉社)にてデビュー。著書に『将軍家御鏡役 鷹の剣』『はなの味ごよみ』シリーズほか。
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