ヨルモの「小説の取扱説明書」~その12 多視点~
公募ガイドのキャラクター・ヨルモが小説の書き方やコツをアドバイスします。ショートショートから長編小説まで、小説の執筆に必要な情報が満載の連載企画です。
さて、第12回目のテーマは「多視点」についてです。
切り替わりの早さに驚く、「多視点」
私が、初めて多視点の小説を読んだのは、五木寛之の『内灘夫人(ウチナダフジン)』でした。
それまでは純文学作品を読むことが多く、一視点の小説ばかりだったのですが、多視点という書き方を知らなかったので、これは面食らいました。
最初、妻の視点だったと思いますが、数十ページほど読んで、やっと主人公に同化できたなと思ったとき、章が変わり、今度は夫の視点になりました。
「えー、やっと夫人になりきれたのに」と思いましたね。
ブレないストーリー軸が重要な要素
そんなわけで、どっちかの人物になりきったかと思うと、視点人物が変わりますので、なかなか話に入りきれなかったのですが。
それが話が加速するにつれ、人物になりきるまでの時間も短くなり、最後は夫の話と妻の話が一体となって、「わあ、すごいな、これ」と思ったのでした。
でも、初心者が書くのはとても難しいでしょうね。
これは二視点ですが、章ごとに全部視点人物が違うというタイプの小説もあります。
たとえば、横山秀夫の『半落ち』がそう。
この場合、何人もの視点人物が出てきますので、ストーリーという縦軸がしっかりしていないとアウトですね。
焼き鳥でいう串がないと、成り立たないタイプですね。
(ヨルモ)
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「小説の取扱書」を執筆しているのは、ヨルモのお父さんの先代ヨルモ。